ガンダムW
1612話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
セル・アルマーだ。ベンティと連絡を取りたい」
『ア、アクセル代表!? しょ、少々お待ち下さい!』
オペレーターが慌てたように告げ……そして1分もしないうちに、映像モニタにはベンティの姿が映し出された。
『アクセル、どうかしたのかね? 私に連絡をしてくるとは珍しいが』
いつものように穏やかな表情のベンティ。
まぁ、現在の地球では小さな戦いはあっても、全体的には膠着状態に近い。
……アレックスらしい奴が起こした問題とか、連合軍のエアリーズ部隊が基地を陥落させたとか、完全な膠着という訳ではないが。
勿論、地球の連合軍を率いている以上、本格的に厳しくなってもそれを顔に出すようであれば、軍を率いる人物として合格とは言えないが。
「海岸沿いの基地の件を聞いた」
『ああ、その件か』
ベンティの口調に、苦々しい色が宿る。
まぁ、基地にいた兵士のほぼ全てが殺されたとなれば、それは当然我慢出来る訳もないだろうが。
「その件だが、もしかしたらこれからも続く可能性がある」
『……何?』
ピクリ、と。
俺の言葉にベンティの動きが止まった。
そして数秒の沈黙の後、再度口を開く。
『何か根拠があっての言葉かね?』
「幾つかの状況証拠からだな。まず、OZは現状に全く満足をしていない。……違うか?」
『だろうな』
ベンティは、短くそれだけ答える。
この辺りは打ち合わせるまでもなく当然お互い共通の認識だった。
ガンダムを使ってノベンタやベンティを殺そうとするのが失敗し、それを皮切りに行われたオペレーション・デイブレイクも、本来であれば奇襲の効果も相まってOZが圧倒的に有利になる筈だったのに、実際にはOZに対する反撃の準備が整えられており、当初OZが予想していたのとは比べものにならない程に苦戦している。
OZが本拠地とする筈だったこのルクセンブルク基地は、一時は占領したものの、シャドウミラーの力もあってすぐに奪い返された。
自分達が利用しようとしたガンダムは、全機ではないがシャドウミラーに所属し、OZに対して牙を剥く。
更には、宇宙におけるOZの本拠地のバルジが消滅し……と、ことごとくOZの希望するものとは反対の方向に突き進んでいる。
そんなOZの不満は、当然現場の兵士も強く感じてるだろう。
特に歪んだプライドや優越感を持っている兵士は、自分達が所属しているOZが負けているという事は我慢出来ない筈だ。
「だからこそ、暴発する可能性がある。あるいは……こっちはあまり考えたくないが、ガス抜き、とかな」
『……』
俺の言葉に沈黙を返すベンティ。
ベンティの方でも、当然のようにそこは考えていたのだろう。
何か決定的な場所で暴発されるよりは、適度にガス抜きを
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ