ガンダムW
1612話
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この内戦は連合軍の方に天秤が傾いている。
そんな状況下で降伏した基地の兵士を皆殺しに――何人かは生き残ったみたいだが――しようものなら、それは自分達にそのまま返ってくる事になる。
恐らく、連合軍がOZの基地を攻略した時、上官が止めても無用な殺戮が起きるのは確実だろう。
……うん? 待て。原作と同じ?
そこまで考え、俺の脳裏を2人の顔が過ぎる。
1人は以前俺に向かってきて殺されたミュラー。これはいい。
だが、原作でそのミュラーと手を組んで戦っていた金髪の軍人、アレックスとの接触は全くなかった。
ましてや、今回襲われた基地は海岸沿いにある基地。
そしてアレックスが原作で乗っていたMSは水中用MSキャンサーだ。
これは偶然か? それとも……
「凛、海岸沿いの基地でその被害にあったのは1つだけか?」
俺が考え事をしているのを見て黙っていた凛が、即座に頷きを返す。
「ええ。私のところに入っている情報だと、そうなってるわ」
「……これが1回で終わると思うか?」
「そう聞くって事は、アクセルは終わらないと思ってるの?」
「多分、だけどな」
普通に考えれば、そんな事を繰り返すとは思えない。
それこそ、OZがエリート揃いである以上、現状を正しく認識している者もいるだろう。
だとすれば、アレックスのような蛮行は自分達の首を絞めるだけだというのも分かる筈だ。
だが、エリートはエリートでも、アレックスのような歪んだエリート意識を持っているような奴であれば、それこそ暴走する危険性があった。
厄介な事に、アレックスはミュラーと一緒に連合軍の基地を潰して回るように命令を受け、行動するだけの実力がある。
生半可に実力があるからこそ、その動きを止められない者もいる。
その上、自分の感情の暴走に引きずられてゼクスに噛み付くような凶暴さも持っているのだから……
「ノベンタ……いや、この場合はベンティか? そっちに相談した方がいいだろうな」
現在、ニューエドワーズ基地に連合軍トップ3のうち、宇宙軍を任されているセプテムはいない。
以前までは息子と祖父に宇宙軍を任せていたセプテムだったが、バルジ消滅のような異常事態ともなれば、やはり自分で直接指揮を執る必要があるのだろう。
現在は宇宙に戻り、まだ幾つか残っているOZの基地をどうにか攻略しようと頑張っている筈だ。
「そう? まぁ、アクセルがそうした方がいいと思うのなら、連絡を取った方がいいんじゃない? ……あ、その前にここにもサインをして」
「……ぶれないな」
凛の行動に苦笑を浮かべ、書類にサインをすると部屋の中にある通信装置を使ってニューエドワーズ基地に繋げる。
『はい、なんでしょうか?』
「シャドウミラーのアク
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