第4章 VS アリアAA
11 魔宮の蠍の最後
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「ぐええ…お、重てぇ…」
俺はなぜか青いトランクを必死にホテルから出していた。雨が止んでくれたのはうれしいが、地面がぬかるんでいて気持ちが悪い。…な、なんでこんなことさせられてんの俺。
『それ運んだらあとから送るデータの場所を調べなさい。そこが私の部屋からの死角で最も人の少ない場所。多分拠点をおくはずよ』
夾竹桃は電話越しでゆっくりと喋ってやがる。なにしてんのかと聞くとお風呂に入っているらしい。…待遇の差が激しいな。
「…おい、なんでプールの場所だけ赤線引いてあんの?」
『そこに落ちたら終わりだからよ。私、泳げないもの』
「へえ意外な弱点…でもないか。お前運動神経悪そうだし」
『あなた、クライアントに失礼じゃない?本音を言い過ぎよ』
「そういうもんか。すまんね、まだそういうことは学習中なんだよ」
『…まあ、私としてもただ従ってもらってるだけじゃつまんないし、いいけど。どうせ間宮あかりが来るまで暇だもの』
「…それならこれ運ぶの手伝ってくれませんかね?結構重いんですけど」
『女の子に重たい物運ばせる気?レディに対して失礼だと思うけど』
「クライアントになったりレディになったり忙しいやつだな…っと」
俺は指定されたゴミ捨て場。夾竹桃のホテルから1kmほど離れた距離に置いておいた。中身は聞いてないが、まあ知らない方がいいんだろう。
「なあところでさ」
『なぁに?暇だから聞いてあげる』
「理子もいる『イ・ウー』ってのはどんな組織なんだよ」
『そうね…あまり部外者に話すことじゃないけど、まあ簡単に言うなら数多くの超人的人材を擁する戦闘集団ってとこかしら。超人たちの集まりとも言うかも』
「ふーん。犯罪組織ってわけじゃないのか?」
『結構自由だから犯罪犯しても「イ・ウー」としては問題ないわね。まあ自分が捕まらなければいい話よ』
なるほどね。それで武偵殺しも所属できるってわけか。
それから俺たちは暇になった(夾竹桃だけ。俺は拠点の捜索隊)時間を使って適当な会話を続けた。こいつ意外とノリはいいのか?話したらちゃんと返してくれるし。
…俺の寒いギャグ以外ね。
そんなことを考えながら、作業を進めた。
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Akari side
夾竹桃に言われ、私たちはあるホテルにたどり着いていた。豪華な内装のなかを私と友人の佐々木 志乃ちゃんが走る。
仲間はみんな、それぞれの位置についてくれた。もう包囲網は完璧だろう。
私は警戒しつつ一階の援護を志乃ちゃんに任せエレベーターに乗る。そして夾竹桃の部屋、401号室にたどり着いた。
「夾竹桃の部屋に到着。今から中に入るよ。おそらく戦闘に
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