第3章 VS HERO
8.事件の前準備
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ああ、なるほど。友達いなかったからこういうことも言い合える友達いなかったのか。
…あれ、そういや俺もこれ言うの久々だな。ったく俺もあんまりアリアに偉そうに言えないってことか。
ちょうどそのとき夕暮れの日がこちらに射した。
…もう帰るか。この状態で歩くのしんどいし。
そう思って俺もアリアの方向に歩き始めーー
…あり?なんか忘れてーー
『その後、アリアと接触、明日の朝までキンジに近づけるな』
「あ、しまった」
俺は思いだして先ほど聞いたばっかの番号を速攻かけた。
通話待ちはそうかかることなく、すぐにアリアは電話に出た。
『あら?修一どうしたの?なにか言い忘れた?』
ちょっと機嫌のいいアリアが、すぐに出てくれたってことはまだキンジと接触していないみたいだ。
あ、あぶね、理子との約束を速攻で破っちまうとこだったよ
「いやその、あれだ、その…」
『なによ?歯切れ悪いわね』
しまった。かけたはいいものの、こっちに戻す理由がない。…んー
「じつは、ちょっと頼みたいことがあるんだが、もう一度戻ってきてくれないか?」
『え、それって今じゃないとダメなの?』
「おう、できれば」
とりあえずすぐにこっちに戻そう。歩きながら通話していたらその途中でキンジに会うかもしれない
『…いいわ。今から戻るから、さっきの場所にいなさい』
ブツっと一方的に切られてしまったがなんとかなったみたいだな。俺は安心して息を吐き、アリアが来るのを待った。
さて、いまのうちに戻した理由でも考えますかね。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ギシッ ギシッ ギシッ
一つの柔道場から約4時間。ただ地面がきしむ音だけが聞こえる。
体育館ほどの大きさの部屋の中に二人。
日も暮れ、外が真っ暗になり、同じ道場を使っていた人もすべていなくなってもその音は鳴りやまなかった。
今も二人の人間が取っ組み合っている。男が女の蹴りを避け、こちらもと、蹴りを放つ。が
「甘い!!そこに一発入れられるわよ!!」
「…こなクソ!!」
それを避けつつ男の腹に一発入れた。…そろそろ言おう、その二人は俺とアリアだ。俺はつけていたギプスやらなんやらをすべて外してアリアと向き合っていた。
「次!きなさい!!」
「…ッ!!んにゃろ!!」
立ち上がって、痛む右腕を無理に振り舞わしアリアに当てようとするが、それをアリアはスルリと避け、俺の腹に蹴り込んだ。そこに一切の躊躇はない。だが、それでいい。
「…がっ…!?」
腹を押さえながら息を整える。口から唾液が漏れるがそれを抑えきれない。くそ、やっぱここまでの違いがあるのか、SとEは。アリ
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