第3章 VS HERO
8.事件の前準備
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「んで?これ何に使うんだ??」
「あや、貸してくれなのだ!ここを押すと、巻かれたロープが自動で射出されるのだ。長さは約20mほどなのだ、えい!」
平賀がセロハンもどきの内側の小さい赤いボタンを押すと、静かに飛んでいくロープ。そしてその先端の赤いゴムが壁に当たりくっつく。
「これでもう離れることはないのだ。そしてここの青いボタンを押すと…えい!」
平賀が赤いボタンの横の青いボタンを押すと平賀の手からセロハンもどきが離れ、ロープを巻き取りながら壁まで走った。ガチャンと音を立て、壁にくっついてしまった。
「…で、これ何に使うんだ?」
ふふんとドヤっている平賀にそう返す。機械が巻かれていっただけでどうしてそうドヤ顔なんだ。
「あや、ターザンごっこなのだ!!」
「…ターザン??」
ターザンってあれか?あーああーーとか言いながら森駆け回るやつ。
「これを天井に撃って、そのまま離さずに青いボタンを押せば宙に浮くことが可能なのだ!そのままブランブランして遊ぶのだ!!」
「…でもよ、これどうやって壁からバズすんだよ?一回したら終わりか?」
今も壁に宙ぶらりん状態のとべーる。絶対外れないんなら使い道が限られてくるが。
「大丈夫なのだ。青いボタンの横にもう一つ小さなボタンがあって、それを押すと」
平賀はとべーるに近づくとそのボタンを押したのだろう。とべーるはいとも簡単に外れ、平賀の手に落ちてきた。
「この中に空気を入れるボタンなのだ。これで簡単に外れるのだ!」
「なるほどね。どこでも移動できるようになるってことか」
これを使えばまるでスパイダーマンのように自由に移動することができそうだ。…まあ、スパイダーマンみたいなことしたらすぐ死にそうだが…。
「だけどよ、そのロープが切れるってことはないのか?それ空中でちぎれたら終わるぞ」
あーああーしてる最中に切れたりでもしたらそのままThe Endだ。そんな終わりは嫌だ。
「大丈夫なのだ。こう見えてかなりの強度をもっているのだ。理論上、刀で100回切っても切れないようにしてるのだ!!」
「へえ…」
これ、もしかしたらターザン以外の使い道がいろいろあるかもしれないな。確かに即戦力の機械だ。少し重いがそれだけ便利がある。だが問題は…
「んで、これいくらだよ?これだけ高性能なら、金も莫大なんだろ?」
相手はあの平賀文だぞ。これだけのものを安値で取引するわけがない。莫大な金を使うことで有名なやつだからな。
「退院祝いなのだ!タダでいいのだ!!」
「まじか!」
と、思っていたがこいつ意外と友達思いなんじゃ…。
「でも修理費は最高15万なのだ」
「………くそう」
やっ
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