身体検査
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ここは、学園都市でも名門校として5本の指に入ると言われている長点上機学園の高等部1年のとある教室。
一人の少年が窓側の席に座りボーッと空を見ていた。
その少年は御坂湊だった。
「ほんとに身体検査とか面倒だから無くならないかな…。」
朝から気だるそうに独り言を呟く理由は今日は身体検査と呼ばれる一定の期間で実施される能力調査だ。
やる内容はいたって簡単。
能力によって行う事は変わるが、俺の場合は言われた物質を作り、作った物質からまた違う物質に変えるたり、美琴の場合だと『超電磁砲』と呼ばれる美琴の異名にもなった物をプールに打って計測したりと能力によって違う。
やる内容は確かに簡単だ。
だが、それを自らやりたい!と思える訳でもなく毎月やらされれば嫌になってくる。
「はぁ…。」
俺は、誰もいない教室で一人溜め息をついていた。
その時だった、親友と呼べる奴が話しかけてきた。
「何溜め息なんて付いてんだァ」
「おはよ、『一方通行』」
一方通行
この真っ白な髪の毛に肌まで真っ白でシミ1つ無い細い少年はlevel5第1位『一方通行』だ。
因みに、本名を聞いてみたが教えてくれなかった。
この学校には俺以外にも何人かlevel5が在籍しているが正直、全員個性的だと思う。
なんて本人に言えるわけではなく黙っているのが事実なんだけど。
「あァ」
一方通行はそう言って後ろの席に座った。
俺と一方通行は席が前後なのは担任の気配りなのかも知れない。
この会話の数分後にはクラスメイトは揃っていた。
「御坂。」
俺は声がした方後ろに振り向くとそこには担任の速水先生がいた。
「はい、何ですか?」
速水先生は俺に1枚のプリントを渡しながら話始めた。
「悪いな御坂、今日の身体検査がここでは出来なくなってな。変わりにこの学校で受けてくれ。」
そう言われ俺はプリントを受け取り見た。
「え…、あのこれは何かの間違いじゃ…。」
先生は、「いや間違いでは無い」と言った。
「すまんな、御坂の測定を今回は違う事をやろうと思っていたのだが装置が壊れてしまってな。」
俺は、プリントに書いてある内容を何度も読み返してしまった。
「俺、常盤台中学校で身体検査やるんですか!?」
ということで、まさかの俺は妹が在籍している中学校で身体検査を行う事になった。
「前と同じで良いのに…。」
俺は誰にも届くはずの無い独り言を呟きながら、常盤台中学校に向かうバスに乗っていた。
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