British Rhapsody 〜赤城〜
Propose and Acceptance
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最中、ロドニーさんは相当ぼんやりしていたようだ。集積地さんのお茶碗は昔話盛りよろしく、ご飯がてんこもりになっている。しかもご飯の壁面はロドニーさんが丁寧にしゃもじでぺたぺたと固めたため、かなりの密度と質量を誇る、恐るべき山盛りごはんになっていた。
「……ああ、す、すまん」
「いやかまわんが……どうかしたのか?」
集積地さんのその質問には答えず、ロドニーさんはお茶碗のご飯のいくらかをしゃもじで自分のお茶碗に移し、集積地さんに彼女のお茶碗を返した。ついで自分のお茶碗のご飯にはお茶をかけてお茶漬けにし、付け合せのタクワンをボリボリと言わせながらそのお茶漬けを食べ始めた。
「なんかロドニーさんがおかしいのです……」
私の耳元で、電さんがそう耳打ちした。確かにロドニーさんの様子がなにやらおかしい。普段ならここまで気が抜けることはない。彼女は何か頭を悩ませているのだろうか……。
「本当に大丈夫ですか?」
つい心配になり、ロドニーさんに声をかけた。彼女はこの鎮守府の正式メンバーではないが、今では立派な私達の仲間といえる。提督のボディーガードも自ら買って出てくれて、戦艦棲姫さんと共に私達の提督の身の安全を守ってくれている彼女は、もはや私達にとってなくてはならない存在だ。
そんな彼女が何か頭を悩ませているであれば、私達は力になりたい。
「……何もない。大丈夫だ」
だが、そんな私達の真摯な気持ちも、受け取る側がそれを拒否してしまえば意味のないものになる。ロドニーさんは、私たちの気持ちを受け取らなかった。
「まぁ何もないならいいのですが……」
「うん」
いまいちハッキリしない態度のまま、ロドニーさんは静かにお茶漬けを平らげ、存分にタクワンをボリボリ言わせた後、何も言わず食堂を出て行った。
「……では失礼する」
「は、はいなのです」
いつもに比べて明らかに重い足取りでお盆とお櫃を抱えて席を立つロドニーさん。そんなロドニーさんのいまいち元気のない後ろ姿を見ながら、私たちは頭の上にはてなマークを浮かべながら彼女のことを心配することしか出来なかった。
「……司令官さんに報告したほうがいいのです?」
心配そうな顔で、電さんがそんなことを言う。
「でも提督はいつもロドニーさんと一緒ですから。何か異変があれば戦艦棲姫さんと同じく真っ先に気づくと思うんですけど……」
「……そういえば、さっき戦艦棲姫も『ロドニーがおかしい』って言ってたな」
「へぇ……」
これはますますおかしい。永田町鎮守府に戻る話が白紙撤回となったあと、ロドニーさんは提督の外出時のボディーガードをしてくれているのだが、そのパートナーといえる戦艦棲姫さんから見てもロドニーさんはおかしいらしい。
「
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