British Rhapsody 〜赤城〜
Propose and Acceptance
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そうなのだが、もごもごと口を動かした挙句黙ってしまうその様子が、話を躊躇している感じがして気持ち悪い。
「何か話したいことでもあるんですか?」
「……」
「言いたくないなら別に言わなくてもいいのですが……」
彼女の力になりたい気持ちもあるのだが……彼女がそれを望まないのであれば、無理にこちらから助力を押し付ける必要もないだろう。
そんな私の葛藤を知ってか知らずか……ロドニーさんは表情を変えないまま煮付けのごぼうを口に運んで咀嚼していた。ボリボリというごぼうの咀嚼音がこちらにまで響く。けっして硬くはない、適度な心地よい歯ごたえのごぼうの音だ。
「……煮付け」
「はい?」
「キンメの煮付け……うまいな」
「ですね。鳳翔さんの料理はハズレが無いですね」
「ああ」
それだけ言ったロドニーさんは、お櫃1杯と少しで夕食を終わらせていた。足りるのか……?
「あ! 赤城さんとロドニーさんなのです!!」
「ぉお、アカギ! ロドニー!!」
私もそろそろ夕食を終えようか……そう思った時にタイミング良く電さんと集積地さんが入ってきた。最近の二人はいつも一緒だ。会えない時間を取り戻すように、仲良く毎日一緒に過ごしている。聞けば、毎晩のように資材貯蔵庫で深海棲艦さんたちや妖精さんたちと共に、ゲームをやって遊んでいるんだとか。
電さんと集積地さんは夕食の金目鯛の煮付けを厨房から受け取ると、私とロドニーさんのテーブルにやってきた。
「ご一緒していいのです?」
「もちろんです。私達はほぼ食べてしまいましたけど、それでいいなら」
「では失礼しようか」
「はいどうぞ」
電さんは私の隣に、集積地さんはロドニーさんの隣りに座った。集積地さんから見ると、ロドニーさんは自身と電さんに砲撃して怪我を負わせた張本人にあたるのだが……それは戦場でのこと。互いに遺恨はないらしい。
「? ロドニー?」
「……あ、ああ。すまん」
「どうかしたのか?」
やはりロドニーさんの様子がおかしいのは、私の気のせいではないようだ。
「いや、何でも無い。私のお櫃からでいいならよそおうか?」
「頼む」
「お願いするのです!」
優しい微笑みの集積地さんと、満面の笑みの電さんの二人が同時にロドニーさんにお茶碗を渡した。そんな二人のお茶碗を見て……
「ど、どっちからよそえばいい?」
とちょっと困惑気味なロドニーさんは、迷った末に、先に電さんのお茶碗を受け取ってご飯をよそっていた。ご飯をよそったお茶碗を電さんに返し、ついで集積地さんのお茶碗にご飯を装い始めるのだが……
「……」
「……おい」
「……」
「ロドニー?」
「ん?」
「私はそんなに食べないぞ?」
ご飯をよそっている
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