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「おい、そこのお嬢ちゃん。」
一人の少女が、5〜6人の男達に囲まれていた。
「お兄さん達とちょーっと遊ばねぇか?」
「ちゃんとお家に返してあげるからさぁ」
「何時帰れるかは分からねぇけどな!」
何処からどうみても柄の悪い奴等だった。
周りの通行人達はコソコソと話ながら通りすぎていく。
「(まぁ、当たり前よね。皆そう、自分が一番可愛いから自分からこんな状況に関わる訳無い。それが普通、誰も悪くない。)」
「(こんな状況で関わって来る奴なんて、あの馬鹿か…湊ぐらいね。)」
少女は鞄を持ちながら黙って考えていた。
「なぁ、聞いてんのか?」
「(めんどくさいわね…、電撃で黒焦げにしようかしら。)」
そう、男達が話しかけた(というかナンパ)をした少女は学園都市に8人しかいないlevel5の一人である第3位『超電磁砲』の異名を持つ御坂美琴だった。
美琴が電撃を放とうとした瞬間、知っている声がした。
「ごめん、遅くなった。」
「お前誰だ?」
「わりぃが、そこを退いてくれねぇか?俺達はその子にようがあんだよ。」
男達は、美琴をかばうように男達と美琴の間に入った少年に威嚇した。
だが、その少年はびくともせずただ真っ直ぐに立っていた。
「ちょ、湊。何でここにいるのよ」
「何でって、もう少しで電撃をぶっぱなそうとしてる妹を止めに来ただけだよ。」
「ごちゃごちゃ話してねぇで、そこを退きやがれガキ!」
湊と呼ばれた少年は美琴から離れて体勢を整えた。
「はぁ、喧嘩は好きじゃ無いんだけどな…。」
少年に男達が襲いかかった。
次の瞬間、立場が逆転した。
「もう終わりですか?」
男達は全員倒された。
何か能力を使った訳でもなく、身体能力で倒してしまったのだ。
武術で5〜6人の男を高校生の男子一人で片付けた事に周りの通行人達も驚きの声をあげながら通りすぎていく。
もちろん妹の美琴も驚いていた。
「(湊って、こんなに強かったかしら…?)」
「良いか。」
湊はリーダーのような男の胸ぐらを掴み、男にだけに聞こえる大きさで話した。
「また妹に手を出してみろ、ただじゃ済ませねぇからな。」
男達はヒッと声を出して走っていった。
美琴には何も聞こえなかったため、状況が良く分からなかった。
「美琴、大丈夫だっ…。」
湊は妹の肩触れようとした、だが手で弾かれた。
「別に、アンタに助けられ無くたって平気よ。」
美琴は冷たく当たった。
「そうだよな、ごめん。」
湊は少し笑いながら歩きだしたその時。
「お姉様、お兄様!」
「あ、黒子。」
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