暁 〜小説投稿サイト〜
Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第八話 仕込みとか分かりやすい伏線の話
[4/5]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
計る。
現状、彼の立ち位置は不安定だ。都合により全力を出せず、ラインハルトの腹心と言う黒円卓からすれば嫉妬の対象になりかねない地位、スワスチカの数を合わなくさせた張本人であり、さらにはメルクリウスの親友。これだけの条件が揃えば大概、狙われる対象になりえるだろう。
「それじゃあ、仕方ないし君でも良いか」
「何がよ?」
突然そう呟いたアルフレートに疑問を投げかけるルサルカ。ある意味同じ魔術に通じる身であるが故に何かしようとしていることを直感的に理解する。
「いやなに、ちょっとした仕掛けをしようと思ってね。お客さんが来る前に終わらさないとね」
そう言ってアルフレートは少々嫌そうにしながらも詠唱(栄唱)を紡ぎだす。
「栄光は父と子と聖霊に。(Ehre sei dem Vater, Sohn und Heiliger Geist.)
初めのように今もいつも世々に。(Selbst jetzt, wie immer und ewig in der ersten)
アーメン。(Amen)
形成(Yetzirah)―――
栄唱は十字架の印(Doxology ist ein Zeichen des Kreuzes)」
瞬間、闇がホールを覆い尽くさんとばかりに迫り来る。
「ッ!?」
ルサルカは自身の影を使いすぐさま周りを守るように展開する。
「如何いうつもりなのかしら……」
「さて問題です。僕の魂の総量はシュピーネに劣っていたはずなのに形成の詠唱を歌えた。これは一体如何いう事を表すでしょうか?」
「……スワスチカ……」
表情に苦いものを見せながらルサルカは答える。
「正解、君が三個目を開いた時点で僕は形成を使える状態となっていた。つまり、今の僕は君たちの形成と同レベルまで引き上がってるという事」
「そう、なら残念ね。あいにく今の私は創造使ってるわよ」
詠唱を唱えていない不完全な創造ではあるが、ルサルカは既に創造を行っており、アルフレートは既に影を踏んでいた(・・・・・・)。それはつまり、アルフレートは動けなくなることを意味する。
「参ったね〜、全然動けないや」
しかし、アルフレートに焦りは無く、それどころか棒読みにそう言っただけであった。
「貴方、今の状況分かってるの?」
「ククク、ああ分かってる。で、それがどうした?」
口調が変わり、ホールを覆っていた闇が蠢き出す。それはまるで意思を持ち完全に独立した個体のように。それが迫りルサルカを刺し殺さんとばかりに鋭く攻め入るが、ルサルカは自身の影と魔術を使い防ぎきる。
「どうして!?」
驚きと怒り。それがルサルカの今の感情を示すものだった。動きを止めている以上、彼の影もまた同じ様に動けなくな
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ