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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第八話 仕込みとか分かりやすい伏線の話
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ートが互いに目線を合わせることも無く話し合う。お互いに戦う気は無い。司狼では現状歯が立たないことを理解しているし、アルフレートも蓮が気がついてしまうことを避けたがっている。

「で、生き延びたんだから何かくれるんだろ。如何なんだ?」

「そうしたいのは山々なんだけどね〜」

バツが悪そうに頭を掻きながらヘラヘラと笑う。

「あげれそうなものが今無いんだよ。僕は力は現状スワスチカの数で制御されてる。だから二つしか開いていない今じゃまともな能力なんて持ちえてないからね」

造り直した666の獣もライニに殺されちゃったしね〜、と呟きながらアルフレートは屋上から離れようと柵をとびこえる。

「と言うわけだし今回は渡せないから次にあったときにしよう。ついでに利子代わりに変わりに情報を一つ、彼は闇の賜物、それだけで納得できるだろ」

「なるほどな、なかなか分かりやすいヒントくれるじゃねえか。でも良いのか?アイツブッ斃したら次はアンタかも知れねえぜ」

「面白いこと言うね、良いよ。殺せるなら殺して。それも君が与える僕の結末だ」

そう言って屋上からそのまま中庭とは逆の方に飛び降りていく。

「は、ワケわかんねえな、アイツだけは」

そう呟いて、司狼も踵を返し学校から出て行った。



******



―――夜・ボトムレスピット―――

「これは一足遅かったかな?」

「何しに来たの、ナウヨックス」

ダンスホールにまで来たアルフレートは歌っていた少女を眺めながら血塗られたダンスホールを歩く。そこに生者は彼女と彼を除き一人として亡く。そして二人は互いに向き合いながら話し出す。彼女の(しもべ)たる足元にいた無数の影も、彼の傍で(ちりば)めいていた粒子もお互いの主人に付き従う。

「君に用があった訳じゃないんだ、ルサルカ」

「ヘェー、じゃあこの場所に用があったの?」

アルフレートはすぐにルサルカが聞いてきたことがスワスチカを開くことだと理解し否定する。

「いや、スワスチカを開くのは僕の役目ではないからね。用があったのはここにいるらしかった司狼君の連れだよ」

「あら、美人の前で他の女、それも他の男の唾が吐いてる女の話をするだなんて傷ついちゃうわね」

「ごめんね、何なら今度ホテルの最上階のバーで夜景をバックに楽しむとしよう。ついでにスイートルームのキーもつけるけど?」

冗談めかしながらそう言うアルフレートに呆れながらルサルカは答える。

「悪いけど、そういうのは好みじゃないわね。もっとこう、そっけなく、でもやさしさを感じさせるような若さを感じさせるようなのが私の好みなの」

そう残念、と全く残念がっていない様子を見せながらアルフレートはルサルカとの間合いを
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