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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第八話 仕込みとか分かりやすい伏線の話
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は無いので、

「一緒に走るぞ。きついかもしれないけど、ゆっくりしてられない」

「うん、大丈夫」

「行くぞ」

言ってマリィの手を掴んで俺は全力疾走を開始した。



******



結局、なんだかんだで香純の部屋まで行って居なかったが、本城(バカ二号)が拉致ってるみたいだから俺は例のクラブまで行き、本城が言うには司狼と香純は寝ているらしく、本城を通じて同盟を結び学校が危険だと聞いたので学校に行くことにした。途中香純の部屋に行ってマリィのために制服を拝借したのだが問題は無いだろう。

「ここが学校?なんだか静かね」

生徒も教師もいる。平常通りつつがなく機能している。なのに話し声一つ無く、廊下ですれ違った何人かの生徒も俺とマリィに何の注目もしていない。どいつも無言のままふらふらと、そこら中をはいかいするだけ。明らかにおかしかった。
結局、校内を歩き回って分かったのは生徒も教師もふらふらとゾンビのように歩くだけ。授業すらしていなかった。中庭でマリィと一緒に座って話していた。
そんな所だっただからだろうか。気がつくと俺は学校での日常を思い出していた。あれから皆、変わってしまって一番俺が違う存在になったのに。そんな風に呟くと、

「じゃあレン、わたしが五人目になってもいい?」

マリィはこの異常化した現実ゆえに出逢えた相手だという事実。それは、俺が日常を取り戻せば、彼女は消えてしまうのではないかと言う予感。

『本当に人じゃない存在もこの世にいるのだから』

ふとその言葉を思い出す。そんなはずは無い。ラインハルトが人ならマリィだって絶対人だ。

「ねえ、駄目かな?」

「いいよ」

死人みたいな生徒たちに満ちたこの学校で、ただ二人だけで生きている俺とマリィ。夢みたいな生活である種時間が止まった世界に取り残されているかのようだった。



******



―――学校・屋上―――

「まあ、何つーか、耳痛いねえ」

中庭での蓮とマリィのやり取りを見下ろしながら、自嘲気味に司狼は零した。盗み聞きするつもりはなかったが、周りが静か過ぎるので仕方が無い。と言った風だった。
それはともかくとして、司狼の読みどおり、学校は黒円卓の連中の誰かが唾をつけている。あからさまに異常空間を演出することで仲間に横取りするなと言っっているのだ。

「だからさぁ、学校(ここ)は現状キープって事でいいんだよな?」

「そうだね、スワスチカを開く選択として終盤に残るのは元々人がいない立地か、どうあっても人がいる位置だ。その点ではここは後者だね」

「となると、次に連中が好んで来そうなのは…」

「想像通りだろうね。君はヴィルヘルムに気に入られてるから」

司狼とアルフレ
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