間桐崩壊
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「平成」じゃない500円玉で買い物をしてしまった。
「桜っ」
桜にもジュ−スを手渡し、公園で座ってアンジェリカや桜人形を待つ。クロエとバゼットは警護のために見えない所から同行していた。
こんな他愛もない、のどかな?休日に桜と二人で話す。冬の世界とは違って暑すぎる夏の日だったが、士郎の瞼からは涙があふれ続けていた。
「先輩、もう泣かないで下さい。私はここにいますから、ね?」
「ああ、でも嬉しいんだ、桜が生きていてくれて、もうそれだけで……」
目の前で思い人が自分のために泣いてくれるのを見て、また心の奥をベキボキに締め上げられた桜は、ちょっと茂みの奥か、女子トイレの身障者用の広いスペースなら?と思い始めた、かも知れない。
もう「やったぜ、これで先輩は私の物よっ」と思いながら心の中でガッツポーズを決め、クソ暑いのに士郎に抱き着いて、薄い道着のパイ間に顔を入れてパフパフもしてやる。
「ううんっ」
近くで誰か咳払いして邪魔をしたかと思うと、姉らしき人物と見知らぬ金髪縦ロールの女が立っていた。
先輩との愛の一時を邪魔されたが、桜は姉を無視して士郎とイチャコラするのを続けた。
「ちょっと、実の姉との感動の再会でしょ? 無視しないで」
もしかすると妹から気付いてくれて、ずっと自分の心配をしてくれていた姉に駆け寄って抱きしめてくれるのではないか?など期待して、いろいろとセリフをシュミレーションして来て「ああっ、姉さんっ、ずっと逢いたかった」「良いのよ、もう貴方は自由なのよ、桜」とか言う予定だったが、まさか完全無視のガン無視で邪魔者扱いを食らうとは思っていなかった。
「さ、桜、離してくれ。遠坂、どうだった?」
桜も、姉を「遠坂」と呼ぶのは聞き逃さず、その程度の関係なのだと悟った。
そのニヤついた顔が気に食わなかった姉は機嫌を損ね、この後にあるイベントを教えなかった。
「ええ、すごい音聞こえたでしょ? あれがアンジェリカがエアを使った音。桜の私物と着替え、間桐の財産を一寸頂いて来てるわ。後でどっちかの桜と、間桐の爺さんの人形が用意できたら、銀行に行かせて財産も押さえるわ」
「ああ、そうなんだ……」
金の事とか考えず、間桐の活動資金まで押収した凜や女達に寒気を覚えた士郎。冬の気候に順応していた体に、夏の日差しはキツかったが、一陣の涼風?が通り過ぎた。
「キャッ!」
そこに物陰からフードを被った人物が走り寄り、桜に向かって何かを突き立てた。
「「「キャアッ!」」」
「桜っ!」
刺された衝撃で倒れてうずくまる桜、背中にかなりの衝撃を感じたので、刃物なら致命傷だった。
まだ動く手で背中に手を這わせる桜、これで傷に触れて出血していれば、少数の虫しか入っていない身では助からないかもしれない。
「残念…… ルールブレイ
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