第二話 傷ついた者達の日常
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二次改装、通称『改二』となって新たな力を得ること。これは榛名達が入渠している時にわかったことだが、榛名はすでに改二になることができるようになっていた。その理由はおそらく防空棲姫を轟沈寸前にまで追い込んだことによって練度が一気に上がったからだろう。
何にせよ、改二となれば艤装も新しいものへと変わる。そうすれば榛名はまた戦うことができるようになるのだ。
もちろん選ぶのは榛名であるため、凰香はどちらも強制するつもりは一切ない。
凰香は榛名に言った。
「あなたはどっちを選ぶ?」
「そんなの最初から決まっています。どうか、『第二次改装』を受けさせてください!」
榛名がそう言って、頭を下げる。まあ、榛名が改にになることを選ぶのはすでにわかりきっていたことなのだが。
凰香は念を押すように榛名に言った。
「……本当にいいの?改二になったらまた戦わないといけなくなるわよ?」
「……はい。でも、榛名は誓ったんです。絶対に夕立ちゃんを護ると」
榛名が真剣な表情で凰香にそう言ってきた。どうやら意志を曲げるつもりはないようだ。
凰香は頷くと防空棲姫に言った。
「防空姉、早速榛名に第二次改装を受けさせてあげて」
「わかったわ。じゃあ榛名、ちょっとついてきて」
「はい」
防空棲姫に手招きされた榛名が、防空棲姫のあとに続いて工廠の奥へと進んでいく。二人の姿が見えなくなると、凰香は時雨と夕立に言った。
「……じゃあ榛名の第二次改装が終わるまで、私達は食堂で待っていましょう」
「うん、そうだね」
「は、はい」
凰香の言葉に時雨と夕立が頷く。
凰香は時雨と夕立を連れて食堂へと向かうために工廠を後にした。
………
……
…
工廠から食堂へ移動した凰香は、時雨と共に早速全員分の朝食を作り始めた。
凰香は鮭の切り身を焼きながらほうれん草の卵とじを、時雨はワカメと豆腐の味噌汁を作る。夕立はまだ修復したばかりなので、席に着かせて待機させていた。
「お待たせー」
凰香と時雨が黙々と朝食を作っていると、食堂に幽体となった防空棲姫が入ってきた。余談だが、榛名と夕立も幽体時の防空棲姫の姿を見ることができるようになった。防空棲姫曰く、「波長が合えば誰でも私を見ることができるみたいよ」とのことである。
「あ、防空棲姫さん」
夕立が防空棲姫の姿を見て立ち上がる。防空棲姫はフヨフヨと宙を浮きながら夕立に近づいて言った。
「夕立ちゃん、榛名の第二次改装は無事に終わったわよ」
「ほ、ほんとですか?!」
「ええ。………榛名、入ってきなさい」
「はい」
防空棲姫が呼ぶと、食堂の入口から榛名の声が聞
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