第3章:再会、繋がる絆
第89話「本当の気持ち」
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『でも!私のせいで迷惑を...!』
「人は...誰しも、迷惑をかけるものだ。」
一人で生きていくなんて、そんな事できる訳がない。
前世の僕や、今世での僕と緋雪だって、周りの助けがなければ生きられなかった。
緋雪と支え合って生きなければ、生活なんてできなかった。
「誰かに迷惑をかけて、その分だけ誰かを助けて...。そうやって支え合って生きていく。それが人間だ。...だから、迷惑だなんて気にするな。」
『っ.....。』
...届いている。僕の声は、確かに彼女に届いている。
自意識過剰かもしれないが、やはり前世からの知り合いという事が大きいのだろう。
『でも...でも、そのせいで、お母さんとお父さんは....!』
「......。」
聖司の両親。聖司を殺した直接的な要因の二人。
...優しい聖司なら、そう思うのも無理はないだろう。だが...。
「...お前が死んで、しばらく経った時、逮捕されたお前の両親と会話したんだ。」
『....!』
「...そしたら、お前の両親、懺悔してたよ。“どうしてあんな事してしまったのか”ってな...。」
ストレスにより気を病み、その結果が聖司殺害だったのだろう。
だから、一度逮捕されて落ち着き、そして後悔したのだろう。
「親が子を大事にするのに、理由はいらない。...結果はともかく、お前は両親に相当大事にされていたんだよ。...それこそ、精神をすり減らしてでもな。」
『ぁ.....。』
結果こそが悲惨なものだが、それでもあの両親は彼らなりに大事にしていたのだろう。
『...ホントに、私がいてもいいの....?』
「ああ。皆、お前の帰りを待っている。」
『こんな事しでかして、散々迷惑を掛けたのに...?』
「それを補う程の“優しさ”が、お前にはある。お前に救われた奴は、山ほどいるんだよ。....もちろん、僕もその一人だ。」
前世で、一人で暮らしていく事になった時、度々聖司に助けてもらっていた。
今世だって、小さな事だがよく手助けをしてもらっていたしな。
「だから、いつまでも引き籠ってるな。お前がいるべき場所は、ちゃんとある。」
『っ....。』
彼女を覆う“闇”が薄まる。
だが、それを阻止しようと、偽物の勢いが強まる。
「シュライン!!」
〈はいっ!!〉
そこで、僕は切り札を切る。
ジュエルシードからシュラインの人格が消え、槍は形だけのものとなる。
そして、当のシュラインは、彼女の手元へと戻る。
『シュライン...!?』
キィイイイイン...!
“闇”の中から微かに光が溢れ
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