第3章:再会、繋がる絆
第89話「本当の気持ち」
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壊する。
もちろん、それだけでは他の偽物を無視する事になるので...。
「っ、らっ!」
飛び退き、飛んでくる砲撃を逸らし、剣を受け止める。
ついさっきまで凌ぐのに精一杯だったが、今ではただただ煩わしい。
「邪魔、するな!!」
―――“Komm,Nova”
極光を放ち、一気に偽物を消滅させる。
...さぁ、隙はできた。後は...!
「司さん!!」
『.....!』
目の前に佇む、中に司さんがいる黒い塊に、再び呼びかける。
僅かな反応が返ってくるが、それは魔力の衝撃波となるだけで、それ以上はない。
....だから。
「....っ、いい加減にしろよ、聖司ぃ!!」
『っ....!?』
前世の名前で、僕は彼女を呼ぶ。
すると、今までとは違う反応が返り、虚ろだった司さんの意識が覚醒したのがわかった。
『なん、で....。』
「...いつまでも、一人で背負ってるんじゃねぇよ!」
どうして、と彼女は思っているだろう。
今まで、似ているだけの別人だと思っていた相手が、本人だったのだから。
「っ....!」
だが、いつまでも呼びかける暇はない。
すぐさま偽物が復活し、僕に襲い掛かってくる。
「ジュエルシード、薙ぎ払え!!」
攻撃を躱し、受け流した後に、ジュエルシードの魔力で薙ぎ払う。
そのままシュラインを地面に突き立て、護るようにジュエルシードで薙ぎ払い続ける。
『どうして、なんで、“ボク”の名前を....。』
「...僕が、お前の知っている“志導優輝”だからに、決まっているだろう...!」
偽物達の攻撃は止まない。ジュエルシードが薙ぎ払う事で応戦しているが、それでも抑えきれずに、流れ弾や何体かの偽物が何度も飛んでくる。
だが、全て受け流し、カウンターを放つことで吹き飛ばす。
僕の偽物辺りは受け流すだろうが、その反応速度を上回って掌底を放っている。
『なんで...なんで、この世界に....。』
「...なんでだろうな。...だけど、きっとお前を助けるためだと、僕は思うぞ。」
なんとなく。ほんのなんとなくだが、僕は助けを呼ぶ声に“導かれた”気がする。
緋雪の時も、彼女の時も。だから、こうして無茶までしてここに立っている。
『っ...また、私が....!』
「...お前のせいじゃない。」
...そう。いつもいつも、こいつは一人で背負いすぎている。
まるで、僕が無茶をする時のように。...だからこそ、親友になったんだろうな。
「...何もかも、自分のせいにするな。いなくなればいいなんて思うな。」
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