ターン66 覇王の粛清
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着している図だった。そこから矢印が伸びた次の画には、その小手から光の線が伸びてそこにカードが置かれている。
「カードを置く場所を実体ではなく、いっそ光……電気でも魔法でもなんでもいい、とにかくスイッチ一つでそれを展開してデュエルができるようになればいいんじゃないかと思ってな。だがこれは、俺の知識不足と機材不足のせいで計画だけに留まった。そこで次に考えたのが、これだ」
次に、その隣のデッサンを指さす。先ほどの案と同じような機械をつけた人間の図だが、隣の図と比べても明らかにその機械は一回り大きくなっている。そこから伸びた矢印では、スイッチを押すことで折りたたまれていたカードを置くスペースがその機械から展開される図が描かれていた。さらにその隣に、メカメカしい片眼鏡のようなものも描かれている。
「この案よりもう少し現実的に、ソリッドビジョン展開システムをこの片眼鏡……仮称としてD・ゲイザーと俺は呼んでいるんだが、こちらに分けてデュエルディスクの機能を2つのパーツに分けるアイデアだ。これならソリッドビジョンシステムを付ける必要がないため、だいぶサイズを小さくすることができる。これは割といい案だと思ったんだがな……科学技術を前面に出しすぎたせいで、この世界ではかえって作れない代物になってしまった。今あるデュエルディスクを解体する機材どころか、原料となる金属の確保も期待できないからな」
「三沢らしいミスだね」
「……どういう意味だそれ」
「ごめん、許して。それで、その次はどうしたの?」
「あくまで否定はしてくれないのか……まあいい、話を戻すぞ。この2つが代表案で、あとはVR空間を利用してのデュエルだとか、デュエルディスクは腕に装着するという前提を覆していっそ機動性も高めるために乗り物、例えば自転車やバイクに組み込んでみたらサイズを気にしなくてもいいんじゃないかとか、我ながらここで実現させるには厳しいようなアイデアばかり浮かんできてな」
なんでそんなこと思いつくんだろう、とは思っても言わない。頭に浮かんだことをいちいち口に出してたんじゃいつまでたっても話が進まないのだ。それに、わざわざこんな失敗談を話しているということは、その先に言いたい何かがあるのだろう。持ってきたきり触れられていないあのブレスレット型デュエルディスクも気になるし、ここは素直に頷いておく。
「それで、色々と試した結果どうにか1つだけ完成したのがこれだ。論より証拠、これを左腕に嵌めてみてくれ」
言われたとおりにブレスレットを受け取る。金属製にも見えるそれは見た目に反して意外と軽く、僕の腕の太さにぴったりのサイズはまるであつらえたかのようにしっくりと来た。
「次に、この水をかける。動くなよ?」
目の前のコップを持ち上げ、こちらが反応する間もなく中
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