S-2 開戦/黒髪
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度当たって無理と判断したら奥の手を出す。それでもいいか?マスター」
「戦闘面では好きにしろ。オレは戦闘ではサポート、主に防御面のみだ。そこはサーヴァントのお前を信じる」
セイバーのステータスとスキルを確認しながらそう言うとセイバーは顔を少し目線を下げ
「すまない……」
と謝ってきた。オレはそれに少し苛立つが表面には出さず、セイバーに向けて言葉を投げ掛ける。
「謝るな。そういう時は「ありがとう」にしてくれ」
セイバーは頷き、小さな声で
「感謝する」
と言った。オレはそれに満足する。
謝罪には嫌な記憶しかない。憎悪が呼び起こされる感覚になり、ソレを制止する。
「英霊相手に何処まで耐えられるか分からないが特別な防御の魔術は掛けておくぞ」
オレの得意分野は先程の通り防御面に特化した味方支援の魔術だ。防衛戦ならば知り合いと手合わせをではほぼ無傷の戦績を持つ。大抵の魔術師の攻撃では豆腐さえも崩すことができない。
「 」
少し長めの、無音で紡ぐ詠唱。魔力は無限だ、普段では連発不能の一度きりの魔術を何度も何重にもオレとセイバーにかける。
「攻撃するときは弱まるがそれ以外だと魔術師にはほぼ破壊不可能だ。無いよりマシだと思ってくれ」
「感謝する、マスター」
そう会話を終えた瞬間、完全に視認できる距離に二人目のセイバーとそのマスターが立っていた。
英霊の方は身長はオレのセイバーより低いが容姿端麗だった。黒髪で見るからに優しそうだが確固たる意思は持っているような顔。右目の下の方にある黒子がその美しさと意思を更に際立たせているような気もした。身体は緑色の布と鎧が合わさったような物を身に付けていて手には──
「剣と、アレは槍か……?」
剣士の英霊が、剣以外に槍を所有している……という前例は少なくとも存在していなかったはずだ。だがこの聖杯戦争は管理者の意向である程度が決まると言われていた。つまり、そう言うことなのだろう。
マスターは軽装な格好だが所々に高位の魔術反応がある。知り合いとは別格の強さである事がわかる。
オレたちと相手の距離が十数メートル程になり、黒髪のセイバーが堂々とした態度で
「鎧のセイバー!もし戦う気が有るのなら勝負を願いたい!」
その態度と声、言葉からこの英霊は正々堂々とした闘いを望んでいるのだろう。
「マスター……」
「お前の好きにしろ……って言った筈だ」
「ああ、やらせて貰おう……!」
セイバーは十字架を連想させる長剣を出現させ、黒髪のセイバーと対峙するように立
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