S-2 開戦/黒髪
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他の武術も組み込み、破壊力に特化させている。
「…………!」
一瞬で蹴りを盾に放つ。魔力の補助もあり、通常の人間に放ったら即死級であろう一撃が盾を粉砕しようとする。衝撃が身体に走る。オレの一撃は盾を全く傷付ける事無く、その場に留まっていた。
スゥ……と一呼吸置き、次に拳のラッシュを喰らわせる。それでもびくともしない。何時も通りの事を終わらせ、オレは盾に触れる。
「オレの取り柄はこれだけか……」
その盾が鋭利になっている部分に触れて、掴む。すると先程のラッシュでは傷ひとつ付かなかった盾が変形する。腕を引くと盾が細長くなり、鞭のようにしなる。それを薄く膜のように延びた形をイメージする。それに反応したかのように両手で拡げるとオレの周囲を覆う膜盾が完成した。これを元としたのは時計塔の有名な魔術師の水銀を使った魔術だ。それよりは強度も性能も低いが汎用性はあると思う。
「戻れ」
そう呟くと膜は凄まじい勢いで音も出さずに集束し、元通りの形へとなった。それに魔力を注ぐと球体となって空中に浮遊する形となった。
「セイバー、そっちはどうだ?」
オレはセイバーの方を振り向いてそう言うとセイバーはオレの声に反応してフードを外し、オレの元へと歩み寄る。
「北の方に数km行くと砂漠、東に林、西には湖、南は草原のみだ」
「大体は視界が良いところになっているな。林の規模は?」
「対軍宝具一撃で消し飛ぶ程度の規模が、それがまばらに幾つもある」
隠れる場所は湖の中だけか。隠れようとは思わないが睡眠を取るときは命取りだ。
「膜を何重にもしてみるか……セイバー、少し手伝ってくれ」
「ああ。…………!」
セイバーの視線が東の方角に釘付けにされる。その表情からサーヴァントかマスターがその方角に居ると考えた方が妥当だろう。
「セイバー、誰か居るのか?」
セイバーは頷き、フードを再度被り、少し間を置いて外してオレの方を向く。
「先程は確認できなかったが、サーヴァントとマスターらしき人物が俺達の方に近付いてきている」
セイバーの宝具の恩恵に感謝しながらこれからすることを考える。
疲労は勿論無い、身体は解れている。セイバーを視ても調子は悪くないようだ。
「来るまで体制を整えて待つとするか?それともこっちから奇襲でも仕掛けるか?」
「奇襲は賛成しない。俺のステータスは大分低く、一撃は与えられてもその後が不安になる……それに、これは俺の勝手なんだがやはり真正面から戦わせてほしい……」
「わかった。頼むぞ」
オレがそう言うとセイバーが外套を握り締める。外套は先程までの大きさの半分以下になり、スカーフ程度となった。そのスカーフを腕に巻き付けた。
「一
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