序章 二人の出会い - 森の町チェスター -
第3話 変身
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が、まれに武器や防具を使いこなす個体が存在する。
剣を使いこなすアンデッドは、一般的にはスケルトンファイターと呼ばれ、上位種として区分されていた。
――おかしい。
シドウはそう思った。
こんなところで普通に見かけるモンスターではない。
今回の仕事、対象は「中級冒険者以上のパーティ」となっていた。
だが中級冒険者のパーティでは、上位種のアンデッド相手に戦うのはかなり危うい。
ギルドとしては、上位種が出現する前提ではなかったはずだ。
「やっぱりティアは下がっていてくれ。危険すぎる」
「え、そんなに危険なんだ!? でもシドウだけで大丈夫なの?」
いつもなら。一人だったら、この状況でもすぐになんとかなる。
だが、今は他の人間、ティアと一緒だ。剣で$わなければならないだろう。
そうなると……もしかしたら大丈夫ではないかもしれない。
とはいえ。相手が上位種であれば、初級冒険者の彼女を一緒に戦わせるのは危険すぎる。
シドウは考えた末に、背負っていた荷物袋を後ろに放り投げた。
「大丈夫」
そう言って、一歩前に出て、剣を構えた。
ガチャっという不吉な音とともに、スケルトンファイターがこちらを一瞥する。
そして。
突進してきた。
一般的に、下位のアンデッドモンスターは動きが鈍い。
しかしこの敵は違う。
あっという間に距離を詰めると、先手を取って斬りかかってきた。
遠くで見たときはわかりづらかったが、敵の背はかなり高い。
上から降ってきたような斬撃を、シドウはなんとか剣で受ける。
速いだけでなく、重い。
角度を少し変えながら、次々と攻撃が飛んでくる。
「くっ」
腹に痛みが走った。
横なぎを混ぜられ、受け切れずにもらってしまった。
その次の斬撃はなんとか受けたが、そのまま押し倒されてしまった。
「うあっ」
骨だけなのに、とても強い力。
光のない黒色の双眸が迫ってくる。
シドウは下からスケルトンファイターをなんとか押し返そうとするが、逆にジリジリと押しつぶされそうになる。
腹の傷がどこまで深いのかはわからないが、痛みで体幹に力が入らない。
腕の力だけでは無理がある。
――やはり剣ではだめか?
そう思ったら、ガシャっという音とともに、上のスケルトンファイターが横に消えた。
そして、金属がぶつかり続けるような音。
その直後にまた、今度はより高めの金属音。
重りがなくなったシドウは起き上がろうとした。
が、その瞬間にまた腹部に激痛が走り、失敗した。
「がはあっ」
「シドウ! 大丈夫!?」
シドウは手で傷を押さえ、苦痛に顔を歪
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