愛の堕天使プリシッラちゃん
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いこう思った。
(病院で何て言うつもり? 「旧共産圏の強化選手だったんで、男性ホルモン使ってドーピングしてました」って似合い過ぎよっ! 課長やジャンさんだって、「社会福祉公社です」って名刺出しても、どっから見ても人身売買のマフィアじゃないっ
数日後、他の担当官や儀体に引き合わされた少年とオリガ。何とか理由を付けてプリシッラもその場に紛れ込んでいた。
「紹介しておこう、これからお前達の同僚になる少年だ」
ジャンに紹介された少年を見て、リコちゃんは頭の上にクエッションマークを浮かべた。 少年側に記憶は無いが、以前語り合った男の子と再会したリコは頬を赤らめ、戸惑って視線を逸らせる、そして……
「なんだ、そうか」
リコがニコリと笑った瞬間、証拠隠滅のために条件付けが発動して少年に襲い掛かり、腕を捻り上げて押し倒し、後ろから左腕で首を抱えて頚骨をへし折ろうとした。
「ひいっ!」
前世?の記憶でもあるのか、射殺された相手には抗えず、されるがままになっている少年。 しかし儀体なので首は折れず、リコも素手だったので、指で眼球を突き抜いて脳を刺そうとした所で、ジャンに後ろ頭を蹴り倒された。
砂埃が舞う訓練場で一瞬の静寂が訪れ、リコがゆっくりと立ち上がる。一連の出来事を当然のように見守っていた儀体の少女達が佇む中、プリシッラと少年だけが、ガクガクブルブルと震えていた。
「あの…… いけませんでしたか?」
「当たり前だ、こいつは同僚だと言っただろう。既に儀体化も終わって条件付けが働いている、情報の漏洩は有り得ん」
「はい……」
ジャンに蹴られて、少しシュンとしてしまうリコ。
「しかし、今の動きは良かった。仕事を見られた奴は消す、それが基本だ。情報を漏らそうとした者は誰であろうと処分しろ、例えそれが私やヒルシャーであったとしてもな」
「はい」
それを聞いて「ヒルシャーもなのっ?」と思いながら、怖い考えになってガクガクブルブルしているトリエラ。しかし、幸せなおチビさんだけは「ジョゼさんはいいんだ〜(は〜と)」などと思っていた。
2課の特設会場では、少年とオリガの部屋を監視するカメラの映像が引き込まれ、経過監視、ありていに言えば覗きが行われていた。ギャラリーはもちろん、2課全員である。
「ジョゼさん、これはプライバシーの観点からも良くないんじゃないでしょうか?」
真面目なヒルシャーの問いかけに、荒んだ目付きのまま温和な声で答えるジョゼ。
「いや、みんなオリガやあの子が心配なんだよ、上手く打ち解けてやっていけるかどうかね」
もちろんそんな性善説思考なのはジョゼだけで、アルフォンソ達はオリガがどうやって子供に手を付け…… もとい、手名付けるのか、ニヤニヤしながら生暖かい目で見守っていた。
「おい、おっ始めたぞっ、
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