暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ガンダムW
1610話
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い予感がしないな」

 トレーズ教の狂信者のレディ・アンが出てくるとなれば、間違いなく連合軍に対して面白くない声明だと思って間違いにない。
 実際問題、現在は内戦中なのだから、まさかOZの口から連合軍を褒め称えるような真似をするとは思えないが。

『さて、こうして皆さんを……今回の内乱で正当性のある私達OZではなく、民衆に圧政を敷いてきた連合軍を肯定している方々も含めて呼ばせて貰ったのは、一つの発表があるからです』

 その言葉に、TVに映し出された中でも半分近くの記者が微かに不愉快そうな表情を浮かべる。
 まぁ、暗にとかいう問題じゃなく、直接的に皮肉られているのだからそれも当然か。
 そんな記者達を一瞥したレディ・アンは、眼鏡を直しながら口を開く。

『知っての通り、我々OZは連合軍に対して平和裏に降伏して貰えるように交渉を持ちかけました』
「……平和裏?」

 思わずそう呟いてしまった俺は、決して悪くはないだろう。
 綾子やサリィも俺と同じ意見なのか、無言で頷いていた。
 正直なところ、さっきみたいに笑いを口に出さなかっただけ褒めて貰いたいくらいだ。
 それはそうだろう。レディ・アンが口にしている平和裏に降伏して貰う為の交渉というのは、バルジ砲を使ってコロニーを破壊するというものだからだ。
 シャドウミラーの面子を引き渡さなければ、間違いなく連合軍の基地となっていたコロニーを破壊していただろう。
 そしてガンダムを引き渡すようにと、全く関係のないコロニーを攻撃していた可能性も高い。
 記者会見場でも何人かの記者がその事について口にしているが、レディ・アンはそれを聞き流しながら口を開く。

『その手段に用いたのは、OZの誇る宇宙要塞バルジ。ですが……既に殆どの方がご存じのように、バルジは唐突に宇宙から消え失せました。正直、これがどのような手段で行われたのかは分かりませんが、姿が消える前にバルジには連合軍の工作員が侵入していたという話があります』
「へぇ……だってよ? その辺はどうなんだ?」

 この場にいる唯一の連合軍の軍人に尋ねるが、サリィはそんな俺の言葉に心当たりはないと首を横に振る。
 ……まぁ、バルジに忍び込んでいたのは俺なんだから、その辺を連合軍が知っている筈がないのだが。
 ましてや、もし実際にあれが連合軍の工作員であったとしても、所詮サリィは将官ですらないのだから、その辺りの機密を教えられる筈もない。

『そして工作員がバルジの動力炉を爆破すると脅し……更には、内部にガスすら撒いたのです!』

 ざわり、と。
 ガスの一言で記者達がそれぞれに顔を強張らせる。
 当然だろう。コロニーやバルジのように宇宙にある建造物の中で、ガスの類を使うというのは到底容認出来る事ではないのだから。
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