第三十八話 ミッドウェー本島ヲ攻略セヨ(Final)
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が、深海棲艦はダメージを受けた様子がない。
「くそっ!!」
舌打ちした磯風がいったんひいた直後、巨弾の嵐が艦隊を襲った。
* * * * *
長門たち超弩級戦艦4人は環礁入り口を封鎖して、近づく敵深海棲艦を薙ぎ払いながら応戦をつづけていた。だが、こちらは静止している上に身動きが取れない。それを狙って深海棲艦側の砲撃が集中し、4人とも傷だらけになっていった。いくら長門型、大和型の装甲が伊達ではないと言っても、このままではやられてしまう。
「これではだめだ。」
肩を並べて砲撃しながら武蔵が言う。
「このままじゃ4人とも被害を受けて主砲が使えない。」
「そんなことわかっているわ!でも、どうしようもないじゃない!」
大和が叫んだ。それほど敵艦隊からの猛攻はすさまじく、一瞬でも気を抜けば轟沈してしまう可能性すら出てきていた。
「打つ手なしか・・・・!!ここまで来て・・・・!!」
長門がうめいたときだ。
「あきらめるな!!」
太い声がした。武蔵だった。
「私が盾になる。その陰から砲撃しろ。」
この時、長門、陸奥は右方向からの敵艦隊に、大和、武蔵は左方向からの敵艦隊に対処していた。それを単縦陣形に組み替えるのだという。武蔵の提案に大和は愕然となった。
「バカなこと言わないで!!妹を盾にするなんて私にできるはずないわ!!」
大和が血相を変えた。
「ふざけるのもいい加減にしろ!!そんなことをすれば、お前は――!!」
長門が武蔵につかみかからんばかりに詰め寄った。
「なに、心配するな。」
武蔵が不敵な笑みを浮かべた。
「大和型の装甲は伊達ではないさ。それに、私はお前の欠点を改良して誕生した姉妹艦だ。私の方が装甲においても優秀だからな。そしてそもそも、深海棲艦の砲弾ごとき、私が防げないとでも思ったか?」
「でも・・・・・。」
「今なすべきは、あいつらが戦っている間私たちが全力でここを守ることだ、違うか?」
「それは・・・・。」
「時間がない。言う通りにしろ!!」
そう言った直後、主砲弾の嵐が飛んできた。とっさに大和たちを後ろ手にかばい、武蔵が両腕を広げた時、彼女を灼熱が襲った。
「武蔵!!」
大和が叫んだ。
「まだだ・・・・。」
庇った腕の合間から顔を上げながら武蔵が不敵に笑う。
「こんな程度、蚊に刺されたようなものだ!!こい!!」
* * * * *
巨弾の嵐の矛先は、磯風だった。
「危ないッ!!」
磯風を突き飛ばすようにして紀伊が進出した。直後、灼熱の中に放り込まれたように全身を苦痛が襲う。紀伊はよろめいた。讃岐が支えてくれなかったら、沈んでいたに違いない。
「ぐうっ!!」
直撃を受けた推進装置が破損して、主砲塔も4門が壊れ、飛行甲板も大破していた。その讃岐も艤装を壊されて傷を負っ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 ~小説投稿サイト~
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ