暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
暗謀転身
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)――――もしくは領とは関係のない単一のギルドのような組織の可能性は……?」

「ウーン、否定はできないヨ?ただレネゲイドもギルドも、ここまで大事起こせるほどの力を持ったトコは稀だし、何より大なり小なりどっかの領の幹部クラスにパイプ持ってるトコは更にいないかも」

種族のしがらみから脱し、レネゲイドになったプレイヤー達と、自種族のために身を粉にしてきた幹部クラスプレイヤーとの間には大きな溝がある。仲間にはなれるだろう。一緒にダンジョンに潜ることもあるかもしれない。だが、政治的に助力を請えるかと言われれば別だ。まして、そのレネゲイドの集合体である大手ギルドなどは、もう論外だろう。

どちらが悪い、という話じゃないんだけどナ、とアリシャは小さくため息をつく。

自分自身、レネゲイドの主義信条を否定する気はない。領主としても、種族のしがらみというのは一番身に染みている。毛嫌いする理由も分かるものだ。

アリシャ自身、何の制約もなく冒険に出かける彼らに羨望を覚えたというのも嘘ではない。

―――いや、それは向こうも同じ、なのカナ。

「……というと、領主は敵が一つの種族だと?」

「種族全員ってワケじゃないケドね。たぶん、種族中枢に関わるプレイヤーによるものじゃないかな」

アリシャの言に、む、と一同は唸る。

「……決め手が欲しいですね」

おとがいに指を這わせ、執政部の一人がそう愚痴る。

「とはいえ、犯人突き止めてもどーするってんですか?こっちが動いたら、それにかこつけてあることないこと言いふらされて下方修正(ナーフ)喰らいますよ」

「確かに、問題は犯人よりもそっちなんだよなぁ」

「その状況もまた、敵さんの予想通りってトコなんだろうさ」

ぱら、ぱら、と羊皮紙がめくられる音が執務室に響く。

「やっぱりここは、シルフを同盟条約を盾に動かすしかないのではないですかー?」

「しかしそれだと軋轢を生みかねん。長い目で見たら、こっちの首が締まる結果になるかもしれんぞ」

「つっても、このまま手をこまねいててもダメでしょ。この情報攻撃に何の手も打てないとなったら、種族全体の信用にかかわってくる」

レプラコーンのような、根っからの商人種族ではないケットシーにとって、戦闘面での信用の喪失は結構痛い。

大規模なイベントバトルなどで他領に呼ばれなくなると自然とレネゲイドは増加する。領に繋ぎ止めておくためにも、執政部としてはこの混乱でも冷静に手を打っているという姿勢だけはアピールし続けていなければならない。

何か手は打てねばならない、だが打ったら打ったで根も葉もない噂を流される。

―――どっちにしても、敵サンの思惑通りってワケだネ。

ケットシー特有の、ネコ科動物を彷彿とさせ
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