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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
暗謀転身
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現在ケットシー領が陥っている危機は把握しているだろう。だが、即座に軍事行動は起こさない。誰もが隙を窺い、周りを見渡して一番非がある《一番先に攻める役》を押し付け合っている。
従って、現状やられたら一番厄介なゲリコマ戦術も、当分は行われない――――と信じたい。少数による破壊が目的ならば、昨夜のサラマンダー小隊が起こした魔法戦で牽制になっているはずだ。
―――結局は、憶測に近い信頼、かナ。
益体のないことを考えていることが自分でも分かり、ふっとアリシャは苦笑を漏らす。
次いで顔を引き締め、執務机を囲む執政部の面々を見上げ、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「黒幕の狙いは、これら各領の動きに焦った私達が
狼騎士
(
フェンリル
)
や
竜騎士
(
ドラグーン
)
を出すことだヨ。そして出した結果、爆発的に膨れ上がったケットシー全体への不満によって、運営体を動かすこと」
「……黒幕は、存在するんでしょうか」
執政部に籍を置く一人が言う。
彼女は立場で言えば充分古参、幹部候補だが、この場においてそんなことは些末だ。
意見のすり合わせ。
アリシャはサクヤとは違う。自分は万能ではないし、どちらかといえばだらしない。だからこそ、有能な下の者を頼るのだ。
「いるヨ。一連の情報攻撃が偶然じゃ片付けられナイし、何よりレン君がいなくなったこのタイミングが露骨すぎる。これじゃハナから隠してないのと同じだヨ」
「というか、それを含めて挑発なのでは?」
「見つけてみろよってか?」
「あり得る話だ」
「しょーじき、こーなってくると
サラマンダー
(
トカゲ
)
が白ってーのも疑わしくなってくるよね」
「裏の裏、まで読まれてるって?」
「そーそー」
ただの雑談ではない。
無駄な情報が極限まで削り殺された議論という名の言葉が広がっていく。
部屋をわざと薄暗くしているのは、言葉を放つ責任を少しでも軽くさせるためだ。
「最終的に、そうやって疑心暗鬼に陥らせるのが敵さんの狙いでは?」
「けど、時間を稼いで向こうに何のメリットがあるの?あたし達にフェンリルやドラグーンを出させて、結果として運営を動かしてテイミングスキルに下方修正をさせるのが目的なんでしょ。ここは明確な
仮想敵
(
スケープゴート
)
を出してくるはずでしょうが」
「たぶんそれが、本来ならサラマンダーの役目だったんじゃない?けど、ヤツらが思ったより腰抜けだったから計画がズレてきた、とか」
「そりゃートカゲ連中がこの局面で動かないなんて予測できんわ」
「てことは本格的にマンダーは白……?」
「確率は高いな」
顔を突き合わせる一同。そこに、比較的新人層にいるプレイヤーが手を挙げる。
「あの、すいません。脱領者(レネゲイド
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