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おぢばにおかえり
第三十八話 夏になってその十九

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「本当に変なこと思うんだから」
「先輩は将来決まってますしね」
「このことはいつも言ってるけれど」 
 教会の長女なので、です。
「教会継ぐのよ。出来たらお婿さん迎えて」
「そうですね、僕も頑張りますね」
「ええ、何か妙に気になるけれど」
 私をずっと見ていますし。
「頑張ってね」
「そうさせてもらいますね」
「是非ね、ただ阿波野君教会長さんになりたいの」
「はい」
 はっきりとした返事でした。
「是非にって考えています」
「ううん、普通の家庭からなのね」
「駄目ですか?」
「駄目じゃないけれど生まれてから教会にいるのとはね」
「やっぱり違いますね」
「その分教会に慣れてないから」
 この辺りがやっぱり違うみたいです、教会に住んでいるのといないとです。私は生まれ育ちが教会ですので慣れていますが。
「努力は必要よ」
「おみちの教えにておどりに」
「ひのきしんにね」
 そういった色々なことについてです。
「勉強も必要だけれど」
「やりますよ」
 意気込みが感じられる言葉でした。
「僕は」
「真剣に教会長さん目指してるのね」
「詰所でも色々聞かせてもらってます」
「教会のことを」
「あそこは何といっても教会の人達の場所ですからね」 
 だからだというのです。
「いつもお邪魔して聞かせてもらってます」
「ええ、確かに詰所はね」 
 私もよく行く場所です、私達にとっては第二の家と言っていいです。おぢばがえりの時はよく泊まっています。
「教会の人達が殆どだから」
「主任先生もそうですし」
「大教会長さんの弟さんもおられるし」
 この人はもうかなりおられます。
「本当に教会のことならね」
「まさしく何でもですよね」
「聞ける場所よ」
「ですから僕もよく聞かせてもらってます」
「ううん、じゃあその意気込みがね」
 私もここは阿波野君を素直に応援しました、やっぱり勇んでいる人は誰であってもそうしないといけないと思います。
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