第四十二話 脅迫その十
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「それは学校の先生が手に入れたのよ」
「担任の人しか知らないんじゃ」
「多分当直の時に蓮見さんの担任の先生の机か何かを漁ったのよ」
「そうしてですか」
「あと蓮見さんが前いた学校とかのことはね」
「それは、ですか」
「校長室でも漁ったのよ」
やはり当直の時にというのだ。
「それで手に入れて」
「役所の方もですか」
「多分役所にそうしたお仲間がいたのよ」
それでというのだ。
「そのツテでね」
「手に入れていったんですか」
「ハッキングもしたかもね」
奈良の役所の方にもというのだ。
「とにかくとんでもないやり方で個人情報を手に入れたのよ」
「そうしたんですね」
「そうよ、犯罪行為までして」
「とことんとんでもない連中ですね」
「このことは探偵さんだけでなく警察にも言うわ」
「そうするべきですね、すぐに」
「このメールもね」
優花に送られてきたそれもというのだ。
「すぐに警察を呼ぶわ」
「そうしますか」
「そして対応するけれど」
「それでもですか」
「用心は必要ね」
鋭い目になってだ、副所長は述べた。
「やっぱり」
「このメールも通報して」
「そして、よ」
「まだ手を打ちますか」
「ここは一気に決める時かも知れないわね」
副所長は今度は考える顔になった、そのうえでの言葉だった。
「それこそね」
「と、いいますと」
「この誘い、乗ろうかしら」
「乗るっていいますと」
「だから。佐世保に行くのよ」
「このメールに乗って」
「ええ、そうよ」
岡島にだ、優花を見つつ話した。
「蓮見さんは」
「ただ行くだけじゃないですよね」
このことをだ、優花は副所長に確認した。
「やっぱり」
「勿論よ、ただ行くだけだとね」
「私がただ」
「連中の餌食になるだけよ」
「そうですよね」
「そんなことは絶対にさせないわ」
副所長は衝夫達にこれ以上はないまでの怒りと侮蔑を込めて言った、そうした行為をする輩への素直な感情だった。
「間違ってもね」
「それじゃあどうされるんですか?」
「貴女のお姉さんとお友達にも連絡するわ」
「姉さんと龍馬にも」
「その時が来たから」
決める、即ち終わらせる時が来たからだというのだ。
「連絡するわ」
「そうですか」
「そして、あの先生も記者もね」
「二人共、ですね」
「刑務所に叩き込んでやるわ」
即ち社会的に抹殺するというのだ。
「そうしてやるわ」
「そう、絶対にね」
優花にもこう言う。
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