IFエンド 「ユーリ・エーベルヴァイン」
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た頃からだけど、私はこの人の目に惹きつけられる。
だってショウさんの瞳には悲しみを知りながらも、それから目を背けずに前へ進もうとする輝きがあるから。色んな経験をしたせいか、今の瞳は前よりも深い悲しみの色を帯びている。だけどそれ以上に私には強い光が宿って優しい色彩を放っているように見える。
「……ユーリ、別に近づくなとは言わないが急にどうした?」
「いえ、何でもありません。相変わらずショウさんの目は綺麗だなって思っただけです」
「そう思うのはユーリだけだと思うけどな。俺からすればユーリの目の方が綺麗に見えるし」
「目だけなんですか?」
「……綺麗になったよお前は」
少し恥ずかしそうにしながらショウさんは私の頭を撫でてくれる。照れ隠しなのか昔よりも優しくない撫で方だけど、逆にそれが愛おしく感じてしまった。だって妹じゃなくて女の子として見てくれてる証だから。
「あ……もう終わりなんですか?」
「あぁ終わりだ。もうユーリは子供じゃないからな」
「むぅ、何でここでそんな意地悪するんですか。照れたからってひどいと思います。お互いに愛し合ってるんですからもっとしてくれてもいいじゃないですか」
ショウさんの背中にしがみつくようにして駄々をこねる。そんな私をセイはどこか呆れた顔で見つめ、ファラは今日も平和だねと言わんばかりにのんびりとお茶を飲んでいる。
「あぁもう、じゃれあうなら他のところでしなさいよね。ゆっくりと食べられないじゃない!」
「何を言っているのですかオルタ。ここの主はこのおふたりです。それに好きな者同士がこのように触れ合って何が悪いのですか。あなたこそ食事中に大声を出してはしたないですよ!」
「あんただって大声出してるじゃないのよ。大体そこに居づらいなら素直にそう言えばいいじゃない。わたしならいつでも変わってあげるわよ!」
「べ、別に居づらいなんて思っていません。というか、本当はあなたがここに座りたいだけでしょう!」
こたつを挟んで火花を散らすジャンヌとオルタの姿は、正直止めるべきなんだろうけど見ていて微笑ましくなる。これがファラとセイだったなら冷ややかな視線を交えて言い争うのでダメだけど。
ファラとセイもジャンヌ達と稼働時間が同じくらいの頃は……ファラはともかくセイはまだ機械的というか淡白な反応が多かったかな。まあ今でも感情的に反応することは少ないけど。
でも裏を返せば、ジャンヌとオルタはより短時間で人間らしさを習得していることになる。これは実に貴重なデータだ。……けど今は
「ふふ、見てて幸せな光景ですね」
「ケンカしてるのにその言い方はどうなんだろうな。……まあ確かにこういう日常が送れるのは幸せなことなんだけどな」
「相変わらずの言い回しですね。まあ私はそういうショウさんが大好
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