IFエンド 「ユーリ・エーベルヴァイン」
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わたしの原型になった人物なんて何だか癪に障るわ」
「オルタ、確かに私達の知るファラさんは大体こういう方ですがそういうことを言ってはいけません」
「ジャンヌ……あなたの言っていることは正しいですが、優しさは時として人を傷つけるものです」
「え? あ、すみません! ほら、オルタも謝って!」
「は? 何でわたしまで謝るのよ」
「いいから謝りなさい」
「いいよいいよ。そんなことでおこるとしでもないし、こどもはすなおがいちばんだから。それに……」
ファラはオルタに向かって手招きをする。
稼働時間を比較しても年の離れた姉妹くらいと思うけど、今のファラはのんびりとした雰囲気を多大に醸し出してるせいなのかお婆ちゃんに見えなくもない。これは口にしても今のファラなら許してくれそうな気がする。
「何よ? ……ちょっ、何するのよ!?」
何が起きたのか簡潔に説明すると、ファラがオルタを包み込む形で自分の前に座らせました。つまりオルタはこたつとファラに挟まれている、ということです。
最初こそ抵抗していたオルタだったけど、次第にこたつの温もりに負けたのかおとなしくなる。
「いや〜だれかをだきしめてるとよりおちつくね〜」
「ふん……誰でも良いのならわたしじゃなくてあっちにしなさいよ」
「あはは、やっぱりおるたはかわいいね〜」
「――っ、急に何言ってるのよ!? わわわたしがか、かわいいだとか殺すわよ!」
「ころす、とかいうわりにここからにげようとしないのがおるたのかわいいところだよね〜」
確かに言葉と行動が伴わないのはオルタの魅力のひとつだよね。ツンデレと言ってしまえばいいのかな。でもアリサさんとは違って抵抗とかはしないんだよね。まあベクトル的には同じだろうから同じ分類で良いとは思うけど。
そんなことを思っていると、キッチンからお茶セットとケーキを持ったひとりの男性が現れる。私が昔から好きだった人で今では一緒に暮らしている大好きな人。名前は言わなくても分かりますよね。
「マスター、運ぶときは呼んでくださいと言ったではありませんか。手伝います」
「わたしも手伝います」
「別に大した量じゃないし、今日は休みなんだから気にしないでいいんだけどな」
「休みだからこそ気にしてるんです」
「そうです、お休みはちゃんと休まないとお休みになりません」
ショウさんから一式を受け取ったセイとジャンヌはテキパキとこたつの上にお茶とケーキを並べる。実に礼儀正しくて働き者な姉妹だ。
このふたりならお嫁に出しても何も問題ない気がする。まあジャンヌはともかく、セイはショウさんに忠誠を誓ってるというか愛を捧げてるから他の人のところに行ったりしないだろうけど。
配膳を終えるのを見計らって私もこたつに入る。私の向かい側にはセイが腰
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