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決して折れない絆の悪魔
亀裂 帰宅
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完結したのか会話を打ち切って勉強に意識を向け直す二人、決して仲が悪いというわけではなくこれは普通の会話の風景なのだ。ミカ自身自分からどんどん話すようなタイプではなく必要な事のみを喋るタイプ、それに合わせるように一夏もしているのでこれが今の二人にとって通常通りの会話ペース。

「嗚呼良かった!!織斑君と未来君達まだ教室に居てくれましたね!!」

勉強を続けていると教室に息を切らしながら真耶が入ってくる、かなり急いできたのが良く解るほどの息の切らし方だ。

「如何したんですか山田先生、そんな息切らして」
「えっとですね、織斑君の寮の部屋が決まりました。これがカギです」
「あれ、でも1週間は自宅から通うという話だったんですが?」

如何やら話が食い違っているようだがそこら辺は当然の処置だろう、ISを動かした男子は貴重というレベルではない。登下校の途中で何かあっても可笑しくはない、そこで無理矢理部屋割りを変えて寮の部屋に組み込むのは十分にあり得る。しかし百春は自分だけに鍵を渡したのに疑問を持った。

「あれ、でも一夏兄は……?」
「えっと未来君達は」
「お二人は孤児院からお迎えの人が来るそうです、そして学園近くの施設に泊まるそうです。流石に整理が付きませんでして……」
「えっ相部屋とかあるじゃないですか!?」
「その案もあったが孤児院から却下された」

百春の言葉に答えたのはサムスを後ろに連れた千冬であった。

「あっ母さん、迎えに来てくれたの?」
「ああ、さあ帰るぞ。近くに私の知り合いがやっている料亭がある、寮の整理がつくまでそこに泊まる」
「安全対策とか大丈夫?」
「安心しろ、IS学園(此処)より遥かに安全だ」

母がそういうならばそうなのだろうと確信した二人は教材などを鞄に詰め込んでサムスに駆け寄った。サムスは優しく笑い二人の頭を撫でて初日の感想を聞いている。

「ち、千冬姉……な、なんで一夏兄は……」
「織斑先生だ。……彼は、彼は私たちの知っている一夏じゃない、サムスさんの息子の一夏さんだ」
「そんなっ!!?」

縋るような百春の言葉に千冬は悲しげに突き放すように言った。真実は違うと、彼は私たちの家族ではない、未来院の一員であるサムスの息子である未来 一夏であると。百春はそれを理解出来ず信じられずにフラフラと一夏に近づこうとするが千冬の手がそれを止めた。なんで止めるのかと言いたげに見つめると唯々静かに首を横に振られてしまう。

「姉さんのお陰で大丈夫だった、文字読めなくてもなんとか行けそう」
「それは何よりだ、だが勉強は続けるんだ。これから役に立つ」
「勿論、農業の本とか読んでみたいし」
「俺の方も大した事無かったよ、当てられたりしたけど」
「そうか、女子に変な事されなかったか
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