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決して折れない絆の悪魔
亀裂 帰宅
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再び百春は凍り付いた、千冬はHRの時に自分の言葉にははいかYESで答えろと言ったのにこの二人はNOと答えたからである。普段から姉の恐怖を知っているからこそ凍り付いた、今も不機嫌そうにしている姉に恐怖している。

「自分から学ぼうしている人ならまだしも自分から学ぶ事を放棄した奴に教える事なんてしたくありません、時間の無駄です。俺だって勉強しなければいけないしミカに日本語を教えてやらないといけません」
「それは……ならば参考書だけでも貸してやってくれないか、新しい参考書が発行されるまででいい」
「嫌です。言いましたよね、俺だって学習すると。それには当然参考書を使用します、そんなものを何故態々捨てた彼に貸さなければいけないんですか、理解出来ませんね」
「俺も同感。古い電話帳と間違えたって馬鹿じゃないの?なんであれを間違えるの、それに立場も俺達と同じ、そいつはそれを自分で放棄した。なら教える事無いよ」

普段は温厚な一夏だが先程から自分に言いがかりをつけてくるし勝手に兄と呼んでくる彼に腹が立っていた。そんな彼に勉強を教えるなら真っ平御免だし自分が勉強したいのもミカに日本語の学習の任を久世から任されたのも事実である。言っている事も正しいので千冬は口を噤んでしまう。

「と言う訳なので」

改めて席についた一夏は再びノートを取り始めた、千冬は少しの間止まっていたが再起動すると出来るだけ早く再発行して貰えるようにすると百春に言うと真耶に授業再開を呼び掛けた。


「一夏、要る?」
「外れじゃないよな」
「さあ、食べてみないと」
「まあ貰うよ」

授業が終了した放課後、一夏とミカは教室で復習をしつつデーツを齧っていた。参考書は読みこんで内容は理解しているがミカは完全に日本語を理解していないので一夏は日本語を教えつつ自らの復習にしながら自らの学習している。それに教室の外に出たいが廊下には多くの生徒が大挙しているしまだ教室にも多くの女子生徒が残りこちらをじっと見つめている、視線など気にしていないが邪魔で移動出来ないのが一番の問題なのだ。

「一夏のも解り易いけど、やっぱ院長に教えて貰いたい」
「おいおいそれ言ってくれるなよ。あの人と比べられると自信無くすから、それに勉強教えて貰えるなら俺だって是非ともそうして貰いたいわ」

ミカの言葉に当然に同意しつつも教えて貰っているのにそれはないだろうと突っ込みを入れる一夏にミカは無視を決め込みノートに向かってペンを動かし続ける。少し離れた場所の席から百春がこちらを見つめてくるがそれも完全に無視する、相手にする気すらない。

「そういえばさ、俺達ってこのまま寮なの?」
「さあ如何だったっけ、もしもそうだったら母さんが荷物もってきてくれるらしいから大丈夫だろ」
「それもそうか」

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