イリヤと美遊の友情、壊れる
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
首まで見られてもイリヤは抵抗せず、メスの顔をしてしまったので、二人の友情は汚染され破壊され瓦礫と化してアンリマユされてしまった。
(やってくれたわね、イリヤ……)
それは美遊からイリヤへの重すぎる愛の重量分だけ、憎しみに変化するのに時間は必要とせず、まるで坂道でも転げ落ちるように「親友だった女」が、兄に近付く汚物としか思えず、蠅のように集って来る煩わしい存在だと思えた。
美遊の着物を兄がイリヤに着せて汚染、美遊の髪飾りまで着けてしまったので「こんの泥棒猫がっ!」と怒り、所詮女の友情など紙切れよりも多い日でも安心な製品よりも極薄のゴム製品よりも薄いのを証明して、ドロップキックや絞め技では済まず、もう少しで兄ごとSATSUGAIする所だった。
「うん、イリヤはもっとお姫様みたいな恰好の方が似合うかと思ったけど、案外和風の着物でも似合ってしまうな、写真も撮ろうか?」
「うん」
秘密の着物撮影会まで行われてしまい、着替え時には乳出しまでして女児用ブラも外され、恋人としてパンツ以外ほぼ全裸にまで脱がされて、密着して着物の着付けまでしてもらい、兄と妹の一線を超えて大人への階段を一歩上って嬉しくなったイリヤは、着物姿を見せようとクロや友人達の所に行こうとしていた。
「ねえ美遊、見て見て、お兄ちゃんに着物着せてもらったの、似合う?」
その経緯を病んだ目で一部始終を見ていた美遊は、抑揚のない氷のような表情と声でこう言い渡して去った。
「イリヤ、いい加減帰ったら? その続きは「アンタのお兄ちゃん」にしてもらえば?」
「エ?」
アスペでも天然でもないイリヤは、「アンタ」と呼ばれたのが宣戦布告で、本気で出て行ってほしい、京都風に「ぶぶ漬けお出ししまひょか?」と思われ、「二度と会いたくない」と言っているのが分かった。
「そんな……」
クロエの言葉とは違い、まだ美遊はお兄ちゃんを運命の相手だと思って愛していて、お兄ちゃんの愛はもう自分に向いてしまっているのに(イリヤの妄想)、親友(だった女)はお兄ちゃんがまだ大好きなのだと思い知らされた。
イリヤは、カレカノで友達の彼女の雪野に気易く話し掛けていたら、猫を被った者同士で話が合ってしまい、友達だと思っていた総一郎君からめっさ怖い目で睨まれたように驚いていた。
「うん、それは子供の頃に罹る、はしかとかオタフク風邪みたいなもんよ。ほらイリヤだってパパが大好きで「パパのお嫁さんになる〜〜」って言ってたでしょ? それと同じなのよ」
美遊が聖杯に送り出される時に士郎に囁かれた言葉と願いで、心の奥がベッキボキに締め上げられて壊れて今生の間修繕不能、草津の湯でも聖杯でも回復不能。
多分来世も運命の人がお兄ちゃんで、今回は血が繋がっていない兄なので安心して子供も産めるし結婚もできる。
クロエ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ