第71話 暁
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
っ......オレに」
その様子に白井はしこたまぶつけた頭を撫でながらムスッとした顔で四つん這いのままサソリに這い寄る。
「そうですわよ。やっとお気づきで?」
「ま、待てよ......だって最初の時は嫌っていたじゃねーか?」
「そんな時もありましたわね。男と聴くだけで嫌な気持ちになりますが......貴方は別ですのよ」
「し、知らんかった......」
困ったように御坂達に助けを求めるが......
今更かーい!!
何この学園都市にはモテる奴にだけ特別な鈍感エキスでも飲んでいるのかと疑問に思うわ!
「ってか旦那」
「あ?」
「ここにいるほとんどの奴は旦那に好意を持っているわよ」
「は?は?お前と湾内だけじゃ」
「だったら私達以外来るわけないでしょ」
「いっ!?」
「どんだけ超鈍感野郎なの?」
絹旗が初めて『超』の正解の使い方をして顔をしかめた。
「まあ、想像してた通りね」
「そうですね。そこがサソリの魅力だったりしちゃうかなー」
佐天が屈託のない笑顔でそう言って白い綺麗な葉を見せた。
******
「出来たー!」
フウエイが砂で拙い家を作って満足気に額を拭った。
手についた砂が付いていく。
「良い感じですね」
「えへへ」
「砂付いているよ」
滝壺が手に持っていたフウエイの額を擦って綺麗にした。
「うん、ありがと」
軽く自由時間にして各々でバーチャルな砂浜を満喫する。
ビーチバレーをするものやビーチベッドで横になったりと楽しむ中でサソリだけはヤシの木の下で物思いに耽っていた。
何もかもが想定外か......
「うじうじ悩んでいましても何も解決しませんのよ」
ひょっこり顔を出したのはまだサソリと知り合ったばかりの婚后だ。頭の上からつま先までどの角度から見ても自信たっぷりといった感じに歩いている。
「......」
「なっ!?何ですの?」
サソリがまじまじと見始めると、婚后は腕を前にして防御の体勢を取る。
「んー、お前はオレに好意を持っているんじゃねーよな?」
「あ、当たり前ですわ!今回も御坂さん達が行くって事で仕方なく」
「だよなー。普通そうだよな......オレなんかに」
その言葉に婚后は少しだけイラついたように口を尖らせた。
「そういう言葉は相手に失礼ですわよ!自分を卑下するのも大概にしなさいですわ..,...っ!」
卑下をするなと啖呵を切ったが、サソリの筆舌に尽くした難い傷の数々に目が覚めたようにオロオロとしだした。
「い、いえ......あまり自分を責めないでく、くださいという意味ですの」
「......クク、ガキのクセに気を遣わなくて良い」
「んな!?ガキですって!貴方よりも充分に大人ですわ」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ