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暁ラブライブ!アンソロジー〜ご注文は愛の重たい女の子ですか?〜
私が守ると決めたから 【ひかる】
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あった。

「うん、私も、凛ちゃんが無事でよかった」

満面の笑みで、返事をした。

けれど、心の底から安堵しているわけではなかった。


私を守ってくれた凛ちゃんが、また私の所為で傷つけられたら。
私の目の前で、つらい思いをするようなことがあったら。

ううん、そんなことがあったら、私がまた守ればいい。
そうしたら、凛ちゃんも嫌な思いをしなくていい……



***



その後、何事もなく時は流れ、私たちはあの忌々しい記憶の残る中学を卒業することができ、そして音ノ木坂学院に入学した。
恥ずかしがり屋の私でも、凛ちゃんのおかげでクラスに馴染むことができたし、いじめもなく中学のころいたようなボス女子もいなくて、平和な暮らしを満喫することができた。
また、長年私が憧れをもっていた「アイドル」に、凛ちゃんと一緒になることができた。
廃校の危機から学園を守る、という目的で立ち上げられたもので、活動も最初は学校の講堂でやるような小さいものだったけれど、私はそれでもアイドルをやれることが楽しくてたまらなかった。今まで特に大きな衝突もあったけれど、凛ちゃんに被害が及ぶことがなかったから、安心していられた。

そして何より、凛ちゃんと同じクラスだったから、アイドル活動でも、学校でも、今まで以上に凛ちゃんと一緒にいる時間が増えていった。
授業中も、移動時間も、体育の前後の着替えも、トイレも、休み時間も、お昼も、活動中も、一緒にいることができる。
私はそれが、一番うれしかった。

そんな楽しい学校生活を送っていた、ある日。



「ええ〜っ、凛がリーダー!?」

その日は文字通り、暗雲が立ち込めていた。台風で戻れないらしいμ’s2年生組の代わりにと、リーダー代役に凛ちゃんが抜擢されたということらしいのだ。

「そのほうが練習に力が入るだろうと思って。勿論、穂乃果たちが修学旅行から帰ってくるまでの間だけで、戻ってきたらまたリーダーは穂乃果がやることになるわ。」

絵里ちゃんが言った。
練習に力が入る?とんでもない。
凛ちゃんが困っているの、わからないの?そんな状況で、練習に精を出せるとでも思っているの?

「え、でも……」
「ウチとえりちと穂乃果ちゃんで相談した結果なんよ。ウチもえりちも皆、凛ちゃんが適任やって話してたし。」

「皆」……?いや、私初耳なんだけど。しかも、凛ちゃんはあんまりリーダー業得意じゃない。現に凛ちゃんの目は潤んでいて、私に助けを求めている。
私も、こんな一方的な決定に、黙っちゃいられない。

「凛ちゃん引っ込み思案なところがあって、リーダーとか苦手な子なんだよね。それに、総意って言ってたけど、私何も聞いてないよ。それって総意とは言わずに勝手っていうんじゃ…
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