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暁ラブライブ!アンソロジー〜ご注文は愛の重たい女の子ですか?〜
私が守ると決めたから 【ひかる】
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たちの品の無い笑い声が、辺りに響き渡った。

「はああ〜?何言ってんの?あんたに友達なんているわけないじゃないの〜。あ、もしかして、こいつにかばってもらえたからそう思い込んでんの?カワイソ〜」
「あ〜あ、友達ごっこされているとも気付けないのか〜……ま、今まで友達いなかったんだからそんなことも区別つかないもんね、


か・よ・ち・ん」


かあっ、と頬が熱くなるのを感じた。
かよちん、それは生まれて初めてつけてもらった、私のあだ名。
凛ちゃんだけが呼んでくれる、特別な愛称。

凛ちゃんと私の宝物。

それを侮辱するなんて。

「かよちん!凛はいいから早く逃げるにゃ!じゃないとまた……」

逃げろ、と凛ちゃんが促す。
取り巻きが凛ちゃんに肘をお見舞いする。
凛ちゃんが、ぐふっ、と苦しそうな声を上げる。
黒髪の少女が凛ちゃんから手を放し、地面に倒れたところで、凛ちゃんの頭を鷲掴みにして地面にうずめた。
凛ちゃんが苦しそうにもがいている。
少女たちは、もがく凛ちゃんを見て、更に大声で笑った。

このまま傷つけられているのを見ているだけでいいのか。
こんな風に傷つけられている私を、凛ちゃんは助けてくれたじゃないか。

凛ちゃんを傷つける人は、例え親でも許さない。



凛ちゃんは、私が守る。



考える間なんてなかった。ちょうど足元に、短めの鉄パイプが転がっていた。

「おら、おとなしくしていろよ、そうしてりゃじきに楽に……」

パイプを構えた私に気が付いたらしい、こちらを見た取り巻きの少女は、悲鳴を上げる間もなく、一目散に逃げて行った。

取り巻きが逃げたことにすぐ気づいたのか、黒髪の少女は取り巻きを呼び止めようと、
「おい、どうしたんだよ」
と声を掛けた瞬間、私の存在に気付き、

「おい、小泉、冗談よせよ……」

と、ひきつった顔で言った。

冗談?とんでもない。私は、凛ちゃんを守るんだから。
真っ暗だった私の世界に、光を差してくれた凛ちゃんを。
教師ですら逆らえない、大きな権力を持つ2人に向かって、勇気を振り絞って立ち向かってくれた凛ちゃんを。

今度は私が、守ってみせるんだから。

渾身の力で、鉄パイプを振るった。

しかし当たる寸前、少女は後ろに下がってパイプを避けた。そして彼女は、「て、てめえ次は覚えてろよ!」と捨て台詞を残し走り去っていった。

これで凛ちゃんを守ることができた。
漸く、凛ちゃんに恩返しをすることができた。

「かよちん、助けてくれてありがとう。かよちんいてくれなかったら、凛どうなっていたかわからなかったにゃ。」

凛ちゃんが土のついた顔を綻ばせて言った。
全身に土がついている以外に、特に外傷はないようで
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