暁 〜小説投稿サイト〜
暁ラブライブ!アンソロジー〜ご注文は愛の重たい女の子ですか?〜
私が守ると決めたから 【ひかる】
[5/7]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
たちの品の無い笑い声が、辺りに響き渡った。
「はああ〜?何言ってんの?あんたに友達なんているわけないじゃないの〜。あ、もしかして、こいつにかばってもらえたからそう思い込んでんの?カワイソ〜」
「あ〜あ、友達ごっこされているとも気付けないのか〜……ま、今まで友達いなかったんだからそんなことも区別つかないもんね、
か・よ・ち・ん」
かあっ、と頬が熱くなるのを感じた。
かよちん、それは生まれて初めてつけてもらった、私のあだ名。
凛ちゃんだけが呼んでくれる、特別な愛称。
凛ちゃんと私の宝物。
それを侮辱するなんて。
「かよちん!凛はいいから早く逃げるにゃ!じゃないとまた……」
逃げろ、と凛ちゃんが促す。
取り巻きが凛ちゃんに肘をお見舞いする。
凛ちゃんが、ぐふっ、と苦しそうな声を上げる。
黒髪の少女が凛ちゃんから手を放し、地面に倒れたところで、凛ちゃんの頭を鷲掴みにして地面にうずめた。
凛ちゃんが苦しそうにもがいている。
少女たちは、もがく凛ちゃんを見て、更に大声で笑った。
このまま傷つけられているのを見ているだけでいいのか。
こんな風に傷つけられている私を、凛ちゃんは助けてくれたじゃないか。
凛ちゃんを傷つける人は、例え親でも許さない。
凛ちゃんは、私が守る。
考える間なんてなかった。ちょうど足元に、短めの鉄パイプが転がっていた。
「おら、おとなしくしていろよ、そうしてりゃじきに楽に……」
パイプを構えた私に気が付いたらしい、こちらを見た取り巻きの少女は、悲鳴を上げる間もなく、一目散に逃げて行った。
取り巻きが逃げたことにすぐ気づいたのか、黒髪の少女は取り巻きを呼び止めようと、
「おい、どうしたんだよ」
と声を掛けた瞬間、私の存在に気付き、
「おい、小泉、冗談よせよ……」
と、ひきつった顔で言った。
冗談?とんでもない。私は、凛ちゃんを守るんだから。
真っ暗だった私の世界に、光を差してくれた凛ちゃんを。
教師ですら逆らえない、大きな権力を持つ2人に向かって、勇気を振り絞って立ち向かってくれた凛ちゃんを。
今度は私が、守ってみせるんだから。
渾身の力で、鉄パイプを振るった。
しかし当たる寸前、少女は後ろに下がってパイプを避けた。そして彼女は、「て、てめえ次は覚えてろよ!」と捨て台詞を残し走り去っていった。
これで凛ちゃんを守ることができた。
漸く、凛ちゃんに恩返しをすることができた。
「かよちん、助けてくれてありがとう。かよちんいてくれなかったら、凛どうなっていたかわからなかったにゃ。」
凛ちゃんが土のついた顔を綻ばせて言った。
全身に土がついている以外に、特に外傷はないようで
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ