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暁ラブライブ!アンソロジー〜ご注文は愛の重たい女の子ですか?〜
私が守ると決めたから 【ひかる】
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 でも、ちょっと不思議なところや意外なこともあるようで。
 身軽だったり、口癖が「にゃー」だったりと猫みたいなのに、魚が苦手だったり。
 運動神経いいのに体がめちゃくちゃ硬かったり。
 私の名前は「はなよ」なのに、私のことを「かよちん」って呼んだり。
 普段積極的で協調性も高いから、リーダーとか向いていそうなのに、実は引っ込み思案なところがあって、そういうの苦手だったり。

 でも、だからこそ一緒にいて飽きないし、話も面白いから、凛ちゃんと過ごす時間がどんどん増えていった。

 お弁当の日は、教室に凛ちゃんを呼んで、向かい合ってお弁当を広げた。
 休み時間は2人で廊下に出て、他愛もない話に花を咲かせた。
 放課後には、どちらかが部活で遅くなっても、必ず終わるまで待って一緒に帰った。
 試験の前には、どちらかの家に行って勉強会もした。
 時に休みの日に、秋葉原や渋谷とかに出て、日が沈むまで買い物をしたり街並みを見たりした。

 私がかつて願っていた、そしていつしか望むのをやめてしまった、当たり前の「友達との」日々。普通の女子中学生らしい、楽しい時間。
 それが今、私の手の中にある。
 夢じゃない。

 その時間が、傷ついた私の心を癒していった。




けれど、どういうわけか、私の心と体の傷が癒えていくと並行して、凛ちゃんの体に傷が増えていった。

「どうしたの、凛ちゃん。何かあった?」

 そう尋ねても、凛ちゃんは「転んだ」と笑うだけだった。言われた時は「そっか、お大事にね」と軽く流していたけれど、顔に青あざを作ってきたり、時折せき込むようになったり、明らかに不自然な擦り傷や切り傷があったのには流石に気になった。

 だから、凛ちゃんを少しだけ尾行することにした。

****

 やはり、とでも言うべきだろうか、すぐに犯人は見つかった。

「ちょっと、こいつと話をしてただけなのに、なんであんたがいるのよ。あんたには関係ないでしょ。」

 地べたにへたり込んでいる凛ちゃんの髪を引っ張りながら、あの見慣れた黒髪ロングの少女が鬱陶しそうに言った。少女の隣には、同じく見慣れた少女の取り巻きの少女がいた。
 凛ちゃんの髪はぼさぼさで、髪が引っ張られて見えた頬には、新しくできたと見える痣があった。ふわりと可愛らしく丸っこい顔も、猫のように柔らかい髪も、白生地の制服も地面の土にまみれていて、少女たちにかつての私と同様のことをされていたことを如実に表していた。

「関係あるよ……凛ちゃんは、私の友達だもん。友達を傷つけるなんて、絶対許さないから。」

 今までの臆病さを振り払い、嘘偽りのない、今の私の気持ちを少女たちにぶつけた。
 だが、その回答は、彼女たちの想定の範囲内なわけで。少女
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