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暁ラブライブ!アンソロジー〜ご注文は愛の重たい女の子ですか?〜
私が守ると決めたから 【ひかる】
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み消した。
更に、そのことがきっかけで、私は身に覚えのない噂まで流されるようになり、ますます冷たい視線を浴びることとなった。
だったら尚更、言わないほうが身のためだと、そのとき悟った。
ならば、と逃げる道も考えた。だがどの建物も屋上には入ることはできない、海も川も、広大な山や森林も周囲にほぼ無い、毒物なんてそう易々と手に入るものでもない、人の体重を支えられるほど頑丈なロープなんて家にはない。
それになによりも……死ぬことが怖い。
逃げるなら、彼らから離れられる、その時を待つほかに手段はない。
中学を卒業するまでの残りあと1年半、この地獄の中で耐える以外に、私が生き延びる術はない。
そう、思っていた。
******************
その日も相変わらず、彼女らの足の下で、制服を埃まみれにしていた。
背中から、ゴリッ、と硬い音がした。背骨の部分を踏まれたようだった。
「こいつ、泣きもしないしうめきもしないじゃん。痛み感じないの?」
「ていうかこいつ、もしかして人間じゃない?だとしたら何、下等生物?」
「それ下等生物に失礼だから。そうじゃなくてさ、こいつ、宇宙外非生命物体なのよ、宇宙外非生命物体。だから何も感じないし、私たちが何をしても何も言わないんじゃないの?」
「あっはははは、そーか、宇宙外非生命物体!じゃあ、つまりうちらが何しても、こいつは意思持ってないから何も感じないってことか!めっちゃいいじゃんそれ」
あっははは、と少女たちの快活な笑い声が、廊下に響き渡る。
背中が足と床に挟まれている感触がある。
その感触は、時間とともに強まっていく。
だけど、痛みなんてこれっぽっちも感じない。
最初こそは痛いと声を漏らし、激昂した彼女たちにかかと落としを食らっていたものだった。
だが、顔を合わせるたびに行われているこの行為に、いつしか慣れてしまった。
今はただ、床に押し付けられているせいで肺が圧迫され、息がしづらい。それだけ。
苦しさは感じない。むしろ、このまま息ができなくなって、いつか息絶えるのかもしれない、と考えたら、これはこれでいいんじゃないか、このまま楽になれるなら好都合だ、とすら思えてきた。
その時だった。
頭上で風を切る音がした。
次の瞬間、どっと何かが落ちる音とともに、私の背中が軽くなった。
「だ、誰だ!こんなことして、ただじゃおかねーぞっ!」
私を足蹴にしていた、茶髪の少女が怒鳴る。
恐る恐る顔を上げると、先程まで私を踏みつけていた少女2人が、顔を歪め腹のあたりを押さえているのが見えた。
そして、私の目の前には、明るい光とともに大地を照らす暖かな太陽を彷彿とさせる、オレンジ色のショートヘアの女の子。
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