未来へ進む子供
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。でもなんで日本語って3つに別れてんの?面倒くさいんだけど」
「さあ私に言われても……ねぇ?」
中東出身のミカにとって日本語は酷く難解な言語、文章を書くにしても2〜3種類の文字を使い分けなければいけない。英語とは全く違い中々覚えられない、一応勉強自体は面白いと思えているが3種類の文字習得自体は面倒と感じているようだ。カタカナの練習を始めようとしたら扉が開けれた、そこには褐色の肌に灰色の髪をした青年を筆頭に次々と少年や少女が部屋へと入って来た。
「失礼しますぜ院長、聞いてくれよ初仕事上手くいったんだぜ。報酬もばっちりだ!」
「途中でトラブルもあったけどさ」
「我らが鉄華団団長が見事な機転で切り抜けたんだぜ!?」
「ほう、流石ですねオルガ。矢張り君はリーダーに向いていますね」
「や、やめてくれよ。アンタに褒められるとその、照れるぜ……」
ミカと同じように引き取られたオルガ達、彼らは唯世話になり続けるだけでは嫌だと自分達で起業し出来る事をしてこの孤児院に貢献してくれている。その名も決して散らない鉄華団、強く逞しいこの子達にピッタリだと思っている。
「んでその報酬なんだが……」
「ええ、8:2です」
「ええっ!?そりゃ無いぜ院長、確かにあんたには感謝してるけど8は取りすぎだろ!?」
「いや何言ってんですか、8はそっちに決まってるでしょ」
「「「「「へっ?」」」」」
仕事の報酬は最初から孤児院に譲渡するつもりでいたオルガ、だが中には折角自分達で稼いだのだから取り分は欲しいという考えを持つ者もいる、その考えは正しいし自分の稼ぎなら尚更だ。それを8を取るなんてあんまりだと声を上げた一部の子達だがこちらに8という分配に驚きを隠せなかった。
「確かに私はお金を入れてくれると有り難いとは言いました、そして貴方達は働いてくれている。ですがそのお金は君達が身体を動かして、汗水を流して勝ち取った物です。私の方が少なくて当然でしょう?」
「で、でもそれじゃあ俺たちが多すぎる!!せ、せめて5:5、いや6:4だ!」
気持ち自体は嬉しいが自分達が働こうと思ったのは傭兵として生きる事しか出来なかった自分達に真っ当な世界での生き方と温かい愛情を注いでくれた院長夫婦に報いる為、なのにこれでは報いれていない。言ってきた額よりも少しでも多く渡そうとオルガは声を張り上げた。6:4と言い直したのは少しでも此方が多く取らなくては向こうが納得しないと思ったからだ。すると院長は笑ってこう言った。
「ならこうしましょう、7:3で手を打ちましょう。そしてその内の1を預かってください、勿論使っても構いませんが私が使うという時まで持っていてください。これなら、良いでしょう?」
「……なんだよそれじゃあ結局8:2じゃねえか…ってこれで駄目って
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