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提督はBarにいる。
目出度い鯛でお祝いを・2
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っていこう。

 金目鯛は鱗を落として三枚下ろしにした物を使用。ごぼうはささがきにして水にさらして灰汁抜き、油揚げは油抜きをしてから細かく刻んでおく。生姜は3枚程スライスしたら、残りはすりおろして絞り汁を作っておく。

 メインの金目鯛は大きめの角切りにして酒と半分の塩を振って10分程置いて臭みを抜いておく。金目鯛の準備が出来たら、炊き込みご飯の具を作っていくぞ。鍋に昆布だし、醤油、みりん、塩、スライスした生姜を入れて、煮立ってきたらごぼう、油揚げ、金目鯛を入れて中火で2〜3分程煮る。金目鯛の身が白っぽくなってきたら目安だな。

 ボウルにザルを乗せて煮汁と具材に分ける。研いだ米と煮汁を炊飯器の釜にセットし、通常のご飯を炊く水加減で水を足して炊飯スタート。炊き上がり10分前になったら炊飯器の蓋を開け、具材を炊飯器の中に放り込んで蓋を閉める。炊き上がったら生姜の絞り汁を全体に振り掛け、茶碗によそって三つ葉をお好みで散らせば完成だ。

「はいよ、お次はご飯物だ……『特製金目鯛めし』。真鯛の鯛めしよりも脂がちとキツいが、味は保証する」

 ふわりと香る生姜の匂いに釣られて、初霜がパクリ。その美味しさに顔を綻ばせ、クネクネと悶絶している。

「流石に気色が悪いぞ、初霜や」

「ご、ごめんなさい。あんまり美味しくってつい……」

「まぁまぁ、良いじゃねぇか。美味しく飯が食えるってのは、それだけで幸せなこった」

 俺はそんなやり取りをしながら、グツグツと煮立つ鍋の様子を確認する。中身は鯛のアラ。頭やら骨がグツグツと煮込まれている。

「提督よ……もしやそれは、『アラ汁』かえ?」

「違ぇよ。こいつはあくまでも出汁だ……これで俺の賄い作ってんだよ」

「提督の賄い……興味あります!」

「やらんぞ?鯛ラーメンは俺も惜しい」

 ラーメン、という言葉に過敏に反応する2人。美味い肴で酒を楽しみ、〆にラーメン。飲み方としては最高だろう。

「提督よ、貴様卑怯じゃぞ!何故妾達にもラーメンを出さん!?」

「バカ言え、コイツは俺だってまだ研究中のメニューなんだ。客に半端な物出せるかよ」

 どうしても、と頼まれれば吝かでも無いのだが、そこは俺の拘りというかプライドが許さない部分だ。鯛ラーメンのレシピを教えろって?完成して、機会があったらその内にな。
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