158部分:梟雄と呼ばれた男その五
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
け寄って来る。フィンやグレイド、ゼーベイア等レンスターの旧臣達の瞳に熱いものが浮かぶ。
(父上、母上、見ていてくれましたか・・・・・・)
歓声の中リーフの胸の中を達成感が充たしていく。
後ろを振り返る。トラバント王は血の海の中で事切れていた。
激しい死闘であった。一歩間違えれば地に伏していたのは自分だっただろう。
そして刃を交え伝わった。トラバント王の哀しさが。自分はこの哀しさを一生涯忘れる事はないだろう、そう感じた。
トラバント王程生前と後世で評価の異なる人物も珍しいと言われる。生前は忌み嫌われていたが後世では聖戦士の子孫として恥じない賞賛を受けている。
『時と場所が違えば英雄だった』
これは後にイザーク中興の祖と讃えられることになるシャナン王の言葉である。その志と秘められていた理想は消える事無くミレトスのダイン王家に受け継がれた。そして後にゲイボルグを継ぎレンスター王となったリーフの臣下として『光の神』と讃えられるアルテナの長子フレイとその妹でありダイン王妃となるフライアも母より授けられた王の遺品を終生身に着けていた。王の墓には何時までも花が絶えなかったという。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ