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異伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(ヴァレンシュタイン伝)
困ったチャン騒動記(3)
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きな親切な男なのだ。
エーリカ、お前もその髭ににこやかに微笑むな。まさかとは思うがベルゲングリューンが好きなのか? それともお前は髭フェチなのか? ならば俺も髭を生やしてみるか……。しかしな、あれは基本的にむさい男がするものだ。俺のような美男子に似合うものではない……。どうしたものか……。
「総督閣下」
「?」
「私の話を聞いていらっしゃいます?」
「失礼、何のお話でしたか」
うるさい女だ。さっきから俺にまとわりついている。このハイネセンでも有名なモデルらしいが俺の好みではない。すこし化粧が濃いし、顔の表情がきつい感じがする。髪型も派手さを強調し過ぎて品が無い。
胸が大きいのは分かるが少したれ気味だしハリが無い。触感は余り良くは無いだろう。腰も少し張っている。服のセンスが余りよくないのは、自分を目立たせようとしすぎている所為だろう。その所為で目だってはいるが同時に周囲から浮いている。エーリカとはまるで違う。
「総督閣下は下着に詳しいと聞いていますわ」
「……」
別に詳しいわけではない。ただエーリカに下着を買っただけだ。
おまけに少しサイズが違っていた。後で買いに行かなくてはいかん。帰りにあの店に寄って行くか。サイズが合っていないと胸の形が崩れるからな。どうもあの女はその辺が無頓着だ、俺が気をつけてやらねば……。ああ、それから前に買ったヤツは全部廃棄だ。家に帰ったら直ぐにやろう。
「私もモデルをしていますから、下着には関心が有りますの。私にはどんな下着が似合うと思いまして?」
何処か期待するような表情をしている。余りに露骨な誘いに興醒めした。
おそらくこの後は、俺に下着を買ってくれとか言うのだろう、その上で身につけたところを見て欲しいとか。
「フロイライン、自分はそれほど下着には詳しくないのです。先日もサイズを間違えました。他の方に頼んだほうがよろしいでしょう」
「それはいけませんな。あのような美しい奥方を持ちながら下着のサイズを間違えるなど、夫としてはいささか問題ですな」
声のしたほうを見ると嫌味なくらい気障な男が居た。
「以前見た顔だな」
「ほう、総督閣下に憶えて頂いていたとは光栄の至り。元自由惑星同盟軍中将、ワルター・フォン・シェーンコップです」
「ローゼンリッターか、イゼルローン以来だ」
俺の言葉にシェーンコップは不適な笑みで答えた。
「お嬢さん、こちらの総督閣下は貴女には興味がなさそうだ、他を当たるのですな」
女は一瞬表情を強張らせたが、俺もシェーンコップも彼女をまるで相手にしていないと分かったのだろう、諦めたように立ち去った。
「随分と酷い事を言うものだ」
「それは閣下も同じでしょう。奥方の方ばかり見て、まるで彼女を相手にしていなかった。大体名前を覚え
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