第50話『VS.鬼』
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感じながら、2人は唖然として様子を眺める。余りに、高すぎる魔力だった。
「…お勤めご苦労、2人とも」
そんな中、1つだけ落ち着いた声があった。今しがた大技を放ったミライだ。彼は土煙の中から颯爽と歩いてくる。
「いや、え…?」
驚きで言葉がつまってしまう。
あの技の威力にかもしれないし、ミライの隠れた強さにかもしれない。
さっきのは、晴登が喰らえば間違いなく即死ものだ。多分跡形も残らない。それだからこそ、反応に困ってしまう。
「うーん…手応えはあったけど、やっぱり足りないかな。まだ余裕そうなのが視える」
「嘘!?」
「ただ、ダメージはきちんと与えているはずだ。そこは大丈夫」
彼は乾いた笑いを見せる。
…いや、待て。あれ喰らってピンピンしてるって、化け物すぎやしないか? …いや、元々鬼って化け物みたいなものか。
「…あのさァ、こんなのじゃボクはたおせないよ?」
「!!」
煙の中から、一閃の光が見える。その正体は言わずもがな、ヒョウの角だ。
彼の角は一層輝きを増しており、不穏な気配を醸し出していた。
「…ここまで元気だと、僕の努力は無駄に見えるね」
「それってヤバいんじゃ…」
「諦めちゃダメだよ、ハルト。奴に勝たなきゃ、僕らの未来だってないんだ」
「そうだよハルト、まだやれるよ」
「ミライさん…ユヅキ…」
2人の言葉に励まされ、晴登は再び覚悟を決める。こちとら、死ぬ気なんて更々ないんだ。
必ずハッピーエンドを掴み取ってやる。
「……ッ」
「あの構え…!」
晴登はヒョウの動きを見て、そう洩らした。
右の掌を前に突き出す構え。しかしそれには見覚えがあり、そしてこの後に氷塊が飛んでくることも予測できた。
「2人とも、避けて!」
晴登が叫び、3人はそれぞれに回避行動を行う。打ち合わせがなかったせいか、各々が違う方向に避けたのだが。
しかしヒョウは、ある人物に的を絞り氷塊を放った。
「……俺か!!」
自分が狙われたと判明した途端、晴登は本格的に逃げの姿勢に入る。ヒョウはそんな晴登に向けて、氷の弾丸の一発一発を的確に放ってきた。
速度はさっき見たときよりも大幅に速くなっていて、油断してると当たって肉をゴッソリ持っていかれそうなレベルだ。当然、目で追うことは不可能なので、勘で避けている。
「おっと…って、危な!……はっ、とぅ!」
追い風のおかげで並以上の回避能力を得ているので、何とか避けることはできるようだ。
ただ、体力と魔力はかなりの勢いで消耗してしまう。
「はぁ…これじゃあ、ジリ貧じゃねぇか…」
一応いつ
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