156部分:梟雄と呼ばれた男その三
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ィン待ってくれ!ここは僕に任せてくれ!」
声の主はリーフだった。ゆっくりとフィンの方へ馬を進める。
「リーフ様・・・・・・」
「・・・・・・頼む、この男だけはどうしても僕の手で倒したいんだ」
ジッと強い眼差しでフィンを見る。彼は主の強い決意を悟り頷いた。
「・・・・・・わかりました。ここはリーフ様にお任せします」
「・・・・・・有り難う」
フィンが後ろへ退いた。後にはリーフとトラバント王が残された。
フゥッと一陣の風が吹き抜けた。両者は互いに睨み合ったまま対峙していた。
「トラバント、やっと巡り会えた・・・・・・。私はこの日が来る事をどれだけ待ち望んだことか・・・・・・」
リーフは半ば歓喜とも聞こえる言葉を漏らした。
「フン、誰かと思えばキュアンの小倅か」
対するトラバント王は至って沈着かつ不遜である。
「ブルームも間抜けな奴よ。さっさと殺してしまえばよいものを」
傲然と胸を張りリーフを見下ろしながら言葉を発する。神をも恐れぬ、とまで言われたトラバント王ならではである。しかしその言葉の響きは何処か空虚で乾いていた。
「貴様に騙し討ちにされた我が父と母、貴様の奸計により殺された多くの者、そしてレンスター王家の無念、今ここで晴らしてやる!」
「ぬかせ、ヒヨッ子があっ!」
トラバント王はそう言うと槍をたて続けに振り回した。先程の衝撃波が凄まじい唸り声を挙げリーフに対し波状的に襲い掛かる。
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