魔女と騎士兼旅人の物語
色彩の魔女は動けない。
××日 色彩の魔女
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そこら辺よろしくねぇー。
「なんで、そんな面倒な案件を残したまま眠りに就いた私……」
昨日の自分は一体、何をしていたんだ。
明日の私に面倒事を放り込むなんてどうかしてるよ。
その日に出来ることならその日のうちにやっておけって教わらなかったの私?
などと自問自答を繰り返すラードンは己のズボラさを嘆いた。
その面倒事の塊の張本人は私のベッドの上で大の字に寝てやがるし、朝からついてないよ。
寝息も五月蝿いし、存在も五月蝿い。
なんなんだ。一体、お前はなんなんだ?
少しは静かに生きられないのか。
なんて眠ってるコイツに念を送っても無意味なんだけどさ。
このバカ弟子は言っても聴かない正真正銘の馬鹿だからね。言っても無駄なら念じるさ。
腹も減ったし、まだ眠い。
昨日は色々あって疲れたからな。
朝食を作ってくれる弟子もまだ眠っている。起こすのも可哀想だし、今は眠りに就かせてあげるとする。
私も、もう一眠り。
「さて、ここら辺の筈なんだけど」
地竜を引き連れ、地図を観ながら歩く青年。
青年の名前はレイド・アストレア。
騎士を生業とする旅人だ。
騎士なのに旅人?
その見た目は好印象的な美少年のものでとても騎士のように鍛え上げられた肉体には見えない。
一般的な青年より、少し筋肉質で大陸各国を旅する美少年と言われれば納得はするだろう。
だが、とてもレイド・アストレアを一目見ただけで騎士とは思わないし、思えない。
服装もそうだ。
レイドの服装は旅をする者の特有の服装で、騎士のきの字も見えるない。
だが、彼は由緒正しき騎士だ。
例え、その身なりが旅人のものであってもレイド・アストレアは騎士なのだ。
と言っても、今は騎士を副職にし。
本業を旅人にチェンジした遊び人なのだが。
「地図だとこの変に村があるはずなんだけど見当たらないね」
地図通りに進んでいれば今頃は村に到着していただろう。
だが、立ち止まった視線の先は山ばかり。
どこで道を間違えたのだろう?
「この近くにあるのは確かなんだ。ちょっと歩けば見つかるよ」
レイドは地竜の頬を優しく撫で歩き出す。
「昨日からずっと歩きっぱなしだから君も疲れたろうね。あと少しだからもうちょっと頑張っておくれ」
主人の言葉に地竜は「グルグゥッ」と小さく吠えた。
まだ、歩けるっと言ってくれたのだろう。
「うん、ありがとう」
亜人戦争を集結させた剣聖 レイド・アストレア。
これは、騎士兼旅人のレイドが剣聖になる前の物語。
色彩の魔女と初代剣聖の物語だ。
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