魔女と騎士兼旅人の物語
色彩の魔女は動けない。
××日 色彩の魔女
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」だよ。
確かに、彼女は誰よりも人に優しかった。
だからかな。
故に、彼女は人を救い続けた。
これが、彼女の罪だ。
第一次亜人戦争のきっかけを作った極悪非道の大罪人。
それが、逆奪の魔女 ラードンなのだ。
歴史の解釈では嫉妬の魔女 サテラの災厄によって始まった戦争とされてるけど彼女は戦争を始めるきっかけを作っただけであって戦争の首謀者ではない。
解るかな?
嫉妬の魔女は罪を被されたのさ。
皆、嫉妬の魔女を悪く言うけど。
それは嫉妬の魔女が災厄を巻き起こした最悪の魔女と勘違いされてるだけであって嫉妬の魔女に罪はない。
あ、いや。罪が無いってのは流石に言い過ぎたかも知れない。
彼女にも、罪はある。
でも、それを全て彼女のせいにするってのは余りにも「怠惰」だろう?
いや、この場合は「傲慢」かな。
まぁ、それを「嫉妬」してしまった彼女も悪いっちゃ悪いけど。
これもかれも、「色欲」に駆られた彼女達共犯者が原因なのか……そうとも言えるし、そうじゃないとも言える。
まぁ、彼女が「憂鬱」だったのも原因だけど。
ちょっと彼女が「強欲」に駆られたも原因の一つだなぁ。
それにあの戦争の最中に余計な「暴食」の横槍も入ったし。あれは酷かった。
生きた人、死んだ人を見境無しに食い散らかしたんだから余計、戦争に火を付けさせてしまった。
彼女達はそれぞれ大罪人だ。
無論、それは彼女達自身がよく理解している。
まぁ、理解していてどうとも思わないのも居るけどそれはさておき。
結論を言おう。
嫉妬の魔女は悪くない。
さて、君は罪の善し悪しをどう決める?
一方的にこれは悪いと決め付け。
一方的にこれは良いと決めつける。
これは人の価値観にも寄るからね。
君が、良いと思っても他人は悪いと言うかも知れないし。本当に人ってのは面倒な生き物だよ。
だから、魔女達の罪の善し悪しも曖昧になる。
全ての人が、「これは悪だ」なんて決めつけるのは間違っている。
全ての人が、「これは正義だ」なんて決めつけるのは間違っている。
とある人はこんな事を言っていた。
勝者が正義。弱者が悪だ、と。
これも一つの定義だとは思うけど。
所詮、定義だ。勝者が正義で、弱者が悪なんて間違っている。
あぁ、別にこの定義を否定している訳じゃないよ?
それも一つの定義ってことは認めている。
だが、それを了承することは出来ない。
だって、それを認めたら私は勝者になってしまう。それは駄目だ、それは間違っている。
私は敗者だ。
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