魔女と騎士兼旅人の物語
色彩の魔女は動けない。
××日 色彩の魔女
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れてきた。
姉妹なのにこうも違うのも珍しい。
姉のラードンは面倒くさがり屋で気まぐれ。
妹のエキドナは論理的で倫理的。
何事も理由を持って行動する妹とは正反対の姉だった。
妹のエキドナは幼い頃から魔女としての素質を開花させ周囲の注目を集めた。
だが、姉のラードンは何もやっても中途半端で。妹のエキドナとは天と地の差だった。
勉強でも。
運動でも。
愛想でも。
料理でも。
容姿でも。
なんでも、全てにおいて妹のエキドナは姉のラードンに勝っていた。
別に、姉のラードンはそれを悔しがることも無く。妹のエキドナをそれを自慢することは無かった。
だが、そんな天才的な妹 エキドナでも姉 ラードンに劣るものがあった。
それは────。
「はぁはぁ……」
弟子、重い。
私は非力なんだ。
弟子よ、そろそろ起きて自分で歩いてくれ。
不安定な足場で体力を持っていかれる。
自分で出したお題に振り回されるなんてホント滑稽だよ。
「おい、弟子よ。
そろそろ起きたまえよ」
弟子よ、起きてくれ。
ペシペシっと弟子の頬を優しく叩く。
だが、弟子は起きない。
うぅ、起きてくれよぉ。
弟子の体は汗でびっしょり……さっきの悪臭に比べればマシだけど汗臭い。
それに弟子の汗は服に染み込んでおり、余計に弟子が重く感じる。
体内の水分を服が吸ってるから重さ自体は変わらないんだけど、これは余計に重く感じてしまう。
私はひ弱で、か弱い、女の子だから、こんな重労働は、向いてないんだよ。
と言いつつも、デコボコ山を下山したラードンだった。
色彩の魔女 ラードンは他の七人の魔女の魔女の誰よりも優しかった。
救いの手を求められれば例え、それが悪人でも手を差し伸べ。
救われない、救われなかった生命を彼女は救った。
それが、偽善であっても。
善に代わりはない。
それが、偽りの善だとしても。
善に変わりはない。
さて、色彩の魔女は何故、人を救うのだろう?
それは己の為?
それは人の為?
それとも、その両方?
────まぁ、どちらにせよ。それはありがた迷惑だ。
色彩の魔女は誰よりも優しかった。
だから、こんな事になってしまったのだろう。
ラードンは歩む。
屍の山を積み上げ続ける。
人の屍の上に居座り続ける。
さて、彼女は『大罪人』だ。
話だけ聞くなら彼女は女神の様な存在だと思うかも知れないけど、それは違う。
彼女は「悪魔
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