魔女と騎士兼旅人の物語
色彩の魔女は動けない。
××日 色彩の魔女
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うか?
「それでは朝の体操から始めます!」
「はいはい」
「一二、三四、」
「ちょっと。ここでやらないでくれるかな。私は眠いんだ……」
昨日は遅くまで魔導書の手入れをしてたから眠いんだ。
っと言おうとしたら。
「夜更かしはいけませんよ師匠様!」
なんて言ってくるのだ。
いや、うん。解ってたんだけどね。
弟子は私が眠そうにしてると「早寝早起きを徹底するべきです!」なんて毎回言ってくるけど。私は遅寝遅起きをモットーにしているので軽く聞き流すことにしている。
適当に「はいはい」「そうだね」と言って最後に「今度からそうするよ」と言えば弟子は笑顔で。
「ありがとうございます!」
と言ってくるので今日は早めに寝ようと思う。
まぁ、数日後には同じやり取りをしてるんだけどね。
「では師匠様!
朝の体操の続きを始めます!」
「はいはい」
「師匠様!
はい、は一回で!」
「はいさい」
そして今日の日常は始まってゆく。
好きでも、嫌いでも無い日常の始まりを色彩の魔女 ラードンは欠伸をしながら迎えるのであった。
たわいない日常は朝から始まり夜で終わる。
それは当たり前の事だ。
だが、その当たり前を当たり前だと認識できるようになったのはいつからだろう。
朧気な記憶の中から、その定義の始まりを検索する。
……。
………。
…………。
……………。
………………。
「師匠様!
朝の体操終わりました!」
元気の塊のそれはやってきた。
「うん?
あぁ、終わった? なら、帰っていいよ」
半分、寝てたね。
寝不足で頭が回らない。
さっさと弟子をこの家から追い出してもう一眠りするとしよう。
まぁ、無理だろうけど。
「いえ!
これから朝の修行を始めますので、ご教示お願いします!」
予想通り、弟子は帰らない。
さて、これは困った。
適当な事を言っても弟子は帰ってくれなさそうだし。ここはお題を出そう。
「解った。じゃあ、修行を始める前に君にお使いを頼んでいいかな?」
「お使いですか?」
「うん。今日は真面目で誠実な弟子に魔導書のレクチャーをしてあげたかったんだけど。どうも素材が足りなくてね」
まぁ、嘘だけど。
「君も、私の弟子になってから……えぇっと」
「今年で一年です!」
「そうそう、一年だ。
君もそれなりに力を付けてきたから。そろそろ試練を与えてもいいかなぁと思ってね」
「私に試練を!?」
この
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