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東方英神伝
第1章
伝説の幕開け
それぞれの行方
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りよ。こんなところまで来たからには、それなりの理由があるのでしょう?」
 「勿論、お前に勝って主犯の居場所を教えてもらうためだ」

 魔理沙はこうした会話を交わしながら相手の特徴、この場所の特徴をつかんでいた。
 まず相手に関してだが、魔理沙と同じ魔法使いだ。だが、種族的なものだと魔理沙は読んでいた。
 その理由は二つあった。一つは相手の発言である。
 相手は、「ここへの客が何百年ぶり」と言っていた。普通の人間が百年を超えて生きる例は極稀だ。しかもその年齢の割に若々しすぎる。物理的に、種族的、つまり「妖怪」の魔法使いということ以外ありえなくなる。
 そしてもう一つは、相手から醸しだされる雰囲気である。
 普通の人間にしてはあまりにも強そうなオーラが魔理沙にはビンビンに伝わってくるのを感じていた。

 これらのことから、魔理沙は相手が種族的な魔法使いという結論に達していたのだ。

 そしてこの場所についてだが……おそらく本にすでに本棚に結界が張られていた。
 それに、さっきこの館に入ろうとしたとき、飛んで入ることができなかった。
そこにかなり強力な結界が張られていたことは、魔理沙も気がついていた。
恐らく、魔理沙達が来たことをなにかを使って察知し、このような状態にした、と魔理沙は推測していた。

すると、紫の女が口を開けた。
「ほう、人間のあなたが、私のような種族的な[魔法使い]に勝てる、といいたいのかしら?」

予想通りだな、と心のなかで思いながら魔理沙は口を開く。

「あぁ、あんたがどんなもんの魔法使いなのかは知らないが、引くつもりは毛頭ないぜ」

相手は、完全にあきれた顔をして魔理沙にこう告げた。

「ふーん……遺言はそれだけかしら……?」もはや勝負にならない、という堂々とした顔で魔理沙を見つめる。

魔理沙はなにも言わずに立ち尽くす。だが、紫の女はなにも言わずとも何かを感じたようだった。
「……そう、それでいいのね。……最期に、名前くらい聞いてあげましょうか」
その言葉を聞いた魔理沙は、内心かなり頭にきただろう。それでも冷静な顔を保ちながらゆっくりと答える。

「……魔理沙…霧雨魔理沙だ……」
戦闘態勢に入った魔理沙の顔を見て、少し驚いた顔をする紫だったが、気にしないことにした。

「……そう、私は、パチュリー・ノーレッジよ……それじゃあ、始めましょうか、あなたの最後の弾幕ごっこを……」
かなり哀れんだ表情で見つめる、パチュリーと名乗った女。そんなパチュリー相手に、魔理沙はと言うと……

「……さぁ、それはどうかな?……とにかく、始めるか……」

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