第四十二話 脅迫その六
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「そんなことしていいことはないわ」
「そうしたことをしてですね」
「倒していけばいいのよ」
「じゃあその暴力教師やゴロツキみたいな新聞記者を潰して」
「優花は学校に戻られるわ」
「それが出来ますね」
「ええ、またね」
コーヒーカップを片手にだ、優子は龍馬に微笑んで言った。
「そして幸せに高校生活を送れるわ」
「早くそうなって欲しいですね」
「全くよ、それとね」
「それと?」
「まだ何かあるかわからないわよ」
優子はその顔を真剣なものにさせていた、明らかに油断していない顔だった。
「最後の最後までね」
「その連中が捕まるまではですか」
「そう、懲戒免職にでもなってね」
「それまではですか」
「だからね」
それでというのだ。
「最後の最後まではよ」
「安心出来ない」
「だから何かあればよ」
「俺達もですね」
「長崎に行くわよ」
こう龍馬に言った。
「いいわね」
「わかりました」
真剣な顔でだ、龍馬に告げた。
「油断しないでいます」
「そうしてね、何度も言うけれど相手は力を持ったならず者だから」
「安心出来ないですね」
「警察に捕まらない限りどんなことでもするわ」
それこそというのだ。
「そうした相手ということでね」
「覚えておいて」
「そうしておきます、もう親との話は済んでいますし」
「私も病院の方でね」
「長崎にすぐに行けます」
「そう、だからその時は」
「長崎まで、ですね」
「飛んで行くわよ」
まさにその勢いでというのだ。
「いいわね」
「はい」
龍馬も一言で答えた。
「そうさせてもらいます」
「それじゃあね」
「何かこのままだと大丈夫っぽいですが」
「私も大体そう思うけれどね」
「大体、ですか」
「そう、けれど完全じゃないわ」
そこまで安心していないというのだ。
「残念だけれどね」
「相手は何をしてくるかわからないですか」
「ええ、だからね」
まさにそれ故にというのだ。
「最後の最後までね」
「安心出来ないですか」
「そうなのよ」
「療養所の中に匿ってもらっていても」
「そして相手の犯罪行為の証拠を掴んでもね」
「それでもですか」
「証拠は掴むだけじゃ駄目よ」
そこで話は終わりではないというのだ。
「警察に通報して逮捕してもらわないとね」
「だからですね」
「ええ、いいわね」
「それで、ですか」
「相手が警察に捕まるまではね」
「完全に安心は出来ないですか」
「確かに療養所に匿ってもらったことは大きいけれど」
だがそれでもとだ、優子は龍馬に真剣な顔で話した。
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