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オズのアン王女
第二幕その九

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「いつものことだからこそね」
「いつもだから油断しない、ですね」
 ナターシャもドロシーに尋ねます。
「そういうことですか」
「ええ、いつものことだからこそ」
 まさにそれ故にというのです。
「私も気をつけてるの」
「そういうことなんですね」
 最後に恵梨香が言います。
「ドロシーさんの場合は」
「そうよ、それで全部あるから」
 旅に必要なものはというのです。
「安心してね」
「ウーガブーの国までですね」
「行ってそしてですね」
「何があってもですね」
「防ぐんですね」
「そうしましょう、ただね」
 ここでこうも言ったドロシーでした。
「一体何が起こるか」
「それは、ですか」
「どうにもですか」
「わからないんですね」
「そこまでは」
「グリンダさんでも」
「そうなの、一体何が起こるかは」
 それはというのです。
「わからないの、けれどね」
「それでもですね」
「一体どうなるか」
「それは、ですね」
「わからないですが」
「それでも」
「何が起こってもね」
 それでもというのです。
「驚かないことよ」
「いいことでも悪いことでも」
「向かう」
「びっくりして動きが止まることなく」
「対応する」
「このことが大事ですね」
「そうよ、何といってもね」
 だからというのです。
「何が起こっても驚かないでね」
「わかりました」
 五人は皆でドロシーに応えました、そしてでした。
 ドロシー、トトと一緒に御飯を食べました。その御飯はです。
 オムライスでしたがジョージはオムライスを食べて言いました。
「これアメリカにはなかったね」
「ロシアでもなかったわよ」
「ブラジルでもだよ」
「勿論中国にもね」
 ナターシャ、カルロス、神宝も言います。
「こうした食べものはね」
「日本にしかなかったわ」
「最初大きなオムレツかと思ったよ」
「これは食べられるのかなってね」
「そうよね、まさかね」
 ドロシーも言います、そのオムライスを食べながら。
「オレンジライスをオムレツで包むなんてね」
「日本だけって言われて」
 その恵梨香の言葉です、見ればトト以外はスプーンを使っています。
「私驚きました」
「そうなのね」
「はい、本当に」
 それこそというのです。
「フランス辺りから来たって思ってました」
「フランスでもないわよ」
 ナターシャはすぐにです、恵梨香に答えました。
「こうしたお料理は」
「あっちはパンが主食だからね」
 神宝も言います。
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